「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 医療・福祉
  • 2023.03.01
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左:渡邊愛悠さん(ひばり保育園保育士・2021年入社)
右:佐藤比登志さん(夜見保育園園長)


無垢材や土壁、石などの自然素材を使ったデザイン性の高い園舎が目を引く、鳥取県米子市の夜見保育園。近くに菜園をもち、四季を通じて野菜を育てる自然体験に力を入れています。園を運営する「ひばり保育会」は2019年にユースエール認定を受けました。保育事業への新規参入が増え、保育士の採用難が続くなか、県内で2番目に取得した認定を求人活動でアピールしていきたいと話す夜見保育園の佐藤比登志園長と、2021年に入社し、4歳児保育を担当する渡邊愛悠さんに仕事のやりがいなどのお話を伺いました。


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佐藤園長に聞きました
━はじめに事業内容を教えてください。

ひばり保育会は鳥取県米子市で、「ひばり保育園」と「夜見保育園」の2つの私立認可保育所を運営している社会福祉法人です。私の母が、近隣の病院に勤める看護師のお子さんなどを夜間も預かる保育所として1983年に開設し、2004年に社会福祉法人の認可を受けました。2園で保育士は約50名、園児は約160名います。それぞれの園に「ひばり放課後児童クラブ」「よみっこクラブ」という学童保育も併設しています。


━園の特徴を伺えますか。

乳幼児期の体験は情緒豊かな人格を形成するうえで重要です。当園では五感を鍛える自然体験を重視しています。園の近くにあるテニスコート2面分ほどの園庭で子どもたちが菜園活動をし、キュウリやトマト、ダイコンなど季節に応じた野菜の苗を植え、水やりをして育て、収穫しています。また、毎年大山にも出かけて樹木や草花などに触れています。2017年に建て替えた夜見保育園は、自然のなかで子どもたちの感性を育みたいと思い、無垢材の床に土壁、石積みの下駄箱など園舎に自然素材を採り入れた開放的なデザインにしました。

ひばり保育園画像_3 ━2019年にユースエールの認定を受けました。なぜ取得しようと思われたのですか。

労務関係の相談などでお世話になっていた鳥取労働局の職員の方から提案を受けたことがきっかけでした。認定を受けた前年度は、職員の有給休暇の年平均取得日数が約14日、月平均の所定外労働時間が約7時間で認定基準をクリアしていました。認定されると、ハローワークで求人活動を支援してもらえることもメリットに感じ、当時は鳥取県で1社しか認定を受けていなかったので、2例目としてアピールできそうだと思って取得しました。


━取得に際して苦労したことはありましたか。

申請書類の作成にはそれなりの労力がいるので、その時間の確保が大変でした。事務スタッフに手伝ってもらいましたが、最終的には私が作成したので、園長としての仕事の合間をみて進めるのに時間がかかりました。ただ、書類をつくる過程で職員の勤務実態が把握できたことは良かったです。


━どういう点が良かったか教えていただけますか。

職員の残業時間や有給休暇の取得状況を見ていて、「意外とこの人は残業しているな」など、それまで気が付かなかった一人ひとりの働き方が見えてきて、同じ仕事をしていても人によってバラつきがあることがわかりました。2019年の取得以降、毎年ユースエール認定を更新するなかで、そのバラつきをなくしていこうと思い、勤怠管理システムを切り替えることにしました。有給休暇の取得日数や残業時間が常時確認できるものにして、有給休暇を取っていない職員がいれば促すなどの対応を進めるつもりです。

ひばり保育園画像_4 ━新卒者の採用でユースエールの効果を感じることはありますか。

認定を取得してから応募者が格段に増えたという実感は、正直に言うと薄いです。それはユースエール制度が若い人にどれだけ認知されているかという問題と、保育業界が抱える課題が影響していると思います。待機児童解消策として保育分野に株式会社の形態をとる新規参入の事業者が増えて、米子でも保育士の取り合い状態になっています。当会では2021年度は3人の新卒者を採用できましたが、2022年度はゼロで採れませんでした。一人ひとりの子どもたちに向き合うには国が定める保育士の配置基準を上回る人手がほしいので、ハローワークにも相談しながら、保育業として鳥取県で初のユースエール認定企業であることをもっとアピールしていきたいです。


━最後に入社を志望する若い人へのメッセージをお願いします。

子どもにはそれぞれの個性があり、保育士としてこう接すれば正解だという答えはありません。難しいですが、それがまた面白い仕事でもあります。「わからないけれど、まずはやってみよう」。そう思って意欲的に子どもたちと接することができる人に来てほしいと思います。


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2021年入社の渡邊愛悠さんに聞きました
━こちらの園を志望した理由から教えてください。

短期大学で保育を学んで、就職活動では7か所くらいの保育園で見学や実習をしました。条件面では給料やボーナス、年間休日数を見比べましたが、ひばり保育会は待遇が良く、有給休暇がしっかりと取れている印象がありました。夜見保育園の自然素材を使った室内環境がとても素敵で、自然体験に力を入れている園の方針にも共感して志望しました。


━現在の仕事とやりがいを教えてください。

1年目は1歳児保育で、2年目の今は4歳児保育を担当しています。1歳と4歳では、言葉数も活動内容もまったく違うので、接し方もガラッと変わりました。やりがいは、子どもたちの成長を実感できることです。1歳児だと、おむつが取れて言葉数がグンと増えたり、4歳児では、手先が器用になって塗り絵などの製作物の幅が増えたり。会話や遊びを通して、心の距離が徐々に近くなっていくことに楽しさを感じています。

ひばり保育園画像_6 ━ひばり保育会の気に入っているところはどこですか。

園で私が一番年下なのですが、園長やベテランの先生方も気さくに話しかけてくれて、仕事を丁寧に教えてくださるので、とても良い職場だと感じています。また、研修制度が充実していて、これまでにいろいろと受けましたが、大学で学んだ幼児教育を改めて研修で勉強できたことが一番良かったです。子どもの姿をイメージしながらの机上の学びよりも、実際の姿を知って学ぶと、「あのときはこういう声かけがよかったのか」と気づきが多く、身についている感じがします。保護者の方への言葉遣いや話の伝え方など社会人としてのマナーも学べて役立っています。


━今後の仕事の目標を教えてください。

視野を広げることです。先輩方を見ていると、目の前の子どもだけでなく、背後にいる子どもも視界に入っていて、何かあればとっさに動けています。そういう姿に早く近づきたいと思います。


━最後に入社を考えている人へのメッセージをお願いします。

とても人間関係の良い職場で、有給休暇も取りやすくプライベートも大事にできます。子どもと接する仕事は大変なこともありますが、それに勝るやりがいと楽しさが感じられるので、ぜひ応募してください。

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