「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 医療・福祉
  • 2025.03.19
【写真1】中垣社長トップ画像
株式会社永誠会
取締役/施設長 中垣直子様
認定企業の事業内容

━はじめに、事業内容をお聞かせください。
当社は、「ケアホーム花梨」「ケアホーム花梨 東館」の2棟の住宅型有料老人ホームを運営しているほか、介護保険法に基づく居宅サービス (訪問介護 ・通所介護)や訪問看護事業を行っています。元々は、歯科の医療法人社団として1982年にクリニックを開設し、地域に根付いた歯科診療を行ってきました。その後、2000年代に入ると介護サービスの事業も手掛けるようになりました。2018年に組織変更して以降は、株式会社永誠会として介護に特化したサービスを提供しています。

━御社の事業の特徴や理念をお聞かせください。
「その人らしさを大切に」を合言葉に、利用者一人ひとりのニーズや生き方、思いを尊重したサービスを提供しています。介護サービスを利用されるのは、認知症の方や病気で思うように体を動かせない方が多いのですが、介護者主体でサービスを行ってしまうと、どうしてもその人の個性や元々の生活様式が損なわれてしまいます。ですので、できるだけ利用者の「こうしたい」という思いを尊重して、その人らしさを維持できるサービスを職員みんなで考えています。

━その人らしさを大切にしたサービスとは、具体的にどのようなものでしょうか。
食事サービスの面では、利用者の方の好みや苦手な物を取り入れたメニューを管理栄養士が考え、それを調理師が手作りしています。例えば、利用者の方が元々朝食にパンを好んで食べていたのであればパンを提供するといったイメージです。そのほか、訪問介護の面では、それぞれのお家の生活様式や希望を汲み取り、介護保険の範囲内でできるサービスを最大限提供するように心がけています。また、当社には私含め社会福祉士が2名います。生活相談や、金銭面で困りごとがある利用者への公的扶助手続きサポート、遠方に家族がいる利用者に向けた身辺整理のお手伝いなど、介護サービスの手が届かない部分の細やかなケアも行っています。

【写真2】ケアホーム花梨の様子
ユースエール認定について

━ユースエール認定の取得理由をお聞かせください
元々、従業員の子育てサポートに力を入れていて、2015年に「くるみん」認定を受けていました。「赤ちゃんのお世話があるから平日の3時間しか働けない」というお母さんでも積極的に雇用していたほか、障害のある方や高齢の方、外国人の方も採用し、従業員の多様性を大切にしながら環境づくりに取り組んできました。その一方で、若い人を採用しても長続きしないという課題があったんです。そんななか、2019年にハローワークから提案いただいたのが「ユースエール認定」制度でした。当時は、介護職と一般企業との賃金差が開き始めていた頃で、社会全体で介護の仕事を希望する若い人がどんどん減っていた時期。そうした状況を踏まえ、「介護のやりがいや面白さを少しでも若い人に知ってもらえたら」という思いで申請を決めたんです。

━ユースエール認定を取得してどのような効果がありましたか?
介護関係の専門学校などからの評判がよく、頻繁に学生が実習生として来てくれるようになりましたね。さらに、その実習生が学校で当社のことを広めてくれたようで、夜勤のアルバイトなどに応募してくれる方が増えました。また、求人広告でユースエール認定のことをPRしたところ、若い方の応募が以前の倍以上になりました。以前は求人をかけても1人がやっと。全く応募がないこともありました。しかし、去年の夏は6人の若い方が応募してくれました。

【写真3】中垣社長
雇用管理や人材育成

━雇用管理で注力していることはありますか。
「人手不足で、なかなか従業員に有休取得をおすすめできない」という話をほかの事業所の方からよく聞くのですが、当社ではシフトを工夫し、積極的に有給休暇を取れる環境を作っています。現在では、有休取得率77.5%(取得日数平均11.7日)で、全国の平均を10ポイント超上回ることができました。また、直近3事業年度の女性育児休業等取得率は100%を達成。男性スタッフが育休を取るケースも増えています。加えて、残業がほとんどないことも特徴だと思いますね。訪問看護事業だけはどうしても突発的な時間外労働(医師の指示による医療行為)が発生することもあるのですが、その場合でも翌日は休みにするなどシフトを柔軟に調整しています。

━人材教育で注力していることはありますか。
介護福祉士初任者研修・実務者研修を受ける際の費用や精神科訪問看護師の資格取得にかかる費用など、さまざまな費用を当社で負担し、ステップアップの意欲がある従業員を応援しています。また、新しく入社した従業員に対しては、約1年間所属長がそばについています。業務のレクチャーはもちろん、精神面のサポートも細やかに行っています。多様性という面でさまざまな状況を持つ従業員を雇用していますので、ちょっとした困りごとや悩みであってもしっかり耳を傾けてサポートをするように心がけていますね。

━最後にこちらの施設で働いてみたいという若い人へのメッセージをお願いします。
ご自身の両親やおじいちゃん・おばあちゃんが年を重ねていく姿を見て、「どういう思いでこの人は生きてきたんだろう」と思いやる気持ち、また寄り添う気持ちを少しでも持ったことがある人なら、介護の仕事をのぞいてみるのもいいのではないかなと思います。「自分には向いてない」と思っていても、意外に介護の仕事が合っていたという人も多くいます。それぞれの能力を最大限発揮できるような、仕事とプライベートのバランスが取れた働きやすい環境を用意して、みなさんをお待ちしています。

【写真4】永井さん
2022年入社の永井さんに聞きました

━入社を希望した理由を教えてください。
家庭科専攻の高校に通っていたときに、カリキュラムの一環で1年間介護関連の仕事を学んだことがあったのですが、「人の役に立てる仕事」であるということにとても魅力を感じました。進路を検討するなかで、学校の先生から株式会社永誠会をおすすめされ、自分がやりたい仕事ができると思い入社を希望しました。

━入社してから現在までの仕事内容を教えてください。
有料老人ホームの業務とヘルパーの業務を兼務しています。入社してしばらくは所属長にさまざまな仕事をサポートしていただきました。現在は、ほぼ一人で利用者の方のお風呂やトイレ介助などをこなしているほか、利用者の方が快適に過ごすための仕組みづくりや、提供するサービス(ケアプラン)の考案やモニタリングにも携わっています。

━どんなときに仕事のやりがいを感じますか。
利用者の介助をしたあとに、「ありがとう」とお礼の言葉を言われると、とてもやりがいを感じますね。

━働いてみてわかった「永誠会のいいところ」を教えてください。
入社してすぐのほとんどなにもわからない状況のなかで、上長の方から丁寧に仕事を教えていただいたことがうれしかったです。また、髪型や髪色などが自由で、窮屈じゃないこともいいなと感じています。

━最後にこちらで働きたいと考えている人へのメッセージをお願いします。
将来的に、AIがさらに発達して機械に置き換えられる仕事がたくさんあるといわれていますが、そんななかでも介護は人間にしかできない仕事だと思っています。声のかけ方や接し方ひとつで利用者の方はよくも悪くも変わっていきます。大変ですが、私たちにしかできない人の心に寄り添うかけがえのない仕事だと思っています。興味がある方はぜひ挑戦してみてください。

【写真5】会社概観
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