左:木浦佑亮さん(測量・用地部第2課、2019年入社)
中央:久保博一専務取締役・総務部長
右:寺田真子さん(営業企画部、2023年入社)
新潟県妙高市の株式会社アルゴスは1964年に設立され、建設コンサルタント業や測量設計業、補償コンサルタント業務を主な事業としています。豪雪地域の特性を生かして、雪氷技術に特化した事業展開を行っていることから、全国の学生からも注目を集めているといいます。「若手社員からの提案を重視したい」と語る久保博一専務取締役・総務部長と、2019年入社の木浦佑亮さん(測量・用地部第2課)と2023年入社の寺田真子さん(営業企画部)の2人の若手社員に聞きました。
- 久保博一専務取締役・総務部長に聞きました。
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━アルゴスの事業内容を教えてください。
建設コンサルタントと補償コンサルタント、雪氷・測量技術を提供しています。1964年に「新井測量」として創立され、測量を主にしてきましたが、測量は雪が積もったらできなくなるので、近くにある(国立研究開発法人)土木研究所(現雪崩・地すべり研究センター)の所長から「豪雪地帯を生かして、雪に関することをやってみないか」とアドバイスを受けて、1989年から社名もアルゴスに改称して、雪氷技術に取り組んでいます。
━雪氷技術というのはどんなものですか?
雪の観測から始まって、雪崩や吹雪などの災害の調査解析を主体としてやってきましたが、だんだんデータがそろってきたので、雪に関する防護策として雪崩や地吹雪の防護柵など対策施設工法の提案などに業務内容は移行してきています。雪氷技術を前面に押し出しているのは業界でも唯一だと思います。
━社員の構成は?
現在は68歳から22歳までで、各世代同じくらいの年齢分布になっています。昨今若手の人材確保はなかなか厳しいですが、雪氷技術というのは他にあまりないので、雪を研究している学生が全国から来てくれます。そのため、毎年切れ目なく1〜2人は採用できています。
━ユースエール認定取得のきっかけは?
会社の政策として、ダイバーシティ・ワークライフバランスの推進を中期経営計画で定めており、特に地方の中小企業で人を採用するに当たって、少しでもブランドを確保しないといけないということで、ユースエール認定をはじめ、さまざまな制度を取得するように取り組んできました。
━認定取得に工夫や改善したことはありますか?
ユースエールに特化してということではありませんが、建設業としては珍しく約30年前から完全週休2日制を実施してきました。雪氷技術は雪が降る冬が忙しいので、休日出勤などをして振替休日もたまってしまいますが、年度の終わった4月からある程度仕事が落ち着きますので、ゴールデンウィークをはさんで、ひと月ぐらい休んでもらうこともあります。おかげで有休の取得率はほぼ100%になっています。以前は雪や災害の調査で休日は時間外の出勤をすることも多かったのですが、最近はドローンなど機器の進化でそうした点もかなり改善されています。ほかに女性が働きやすい環境づくりということも含め、育児、介護に関する休暇制度、短時間勤務制度を整備しています。
━認定を取得した効果は?
新潟県主催の採用ガイダンスや企業紹介の雑誌などで差別化してもらえるようになりました。妙高市という地方の小さな会社なので、特徴である雪の技術とともに「いい会社だな」と思ってもらえるようにブランドを大切にしようと取り組んできましたので、見えない部分でも効果があると思います。
━若い人に期待することは?
学校などで学んできたことを生かして、思いついたら何でも提案してほしい。少しでも省力化や生産性が上がるものがあればできる限り採用するようにしています。例えば交通量調査でのAI(人工知能)の活用や、調査のためにドローンのパイロットの資格取得などは若い人からの提案で進めています。時代の流れが早いので、若い人たちが学んできた一番旬な知識を会社の中で発揮してほしいですね。
- 2019年入社の木浦佑亮さん(測量・用地部第2課)と2023年入社の寺田真子さん(営業企画部)に聞きました。
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━入社のきっかけは何ですか。
木浦さん)隣の上越市の出身で、高校で測量や設計などを学んだので、アルゴスでは測量や設計もやっていて、雪関係の業務もあるのが珍しいと思ったのも志望理由の一つですね。
寺田さん)千葉県出身なのですが、年間の休日数や女性の働きやすさなどを重視して求人サイトで全国の企業を調べて、アルゴスがよさそうだと思いました。また、建設コンサルタントの営業はノルマなどがなくて、人とのコミュニケーションが一番重要なので、それをやりたくて入社しました。
━現在の仕事内容と、どんなところにやりがいを感じているかを教えてください。
木浦さん)主に河川や道路の測量、最近では国交省や県などの事業の用地取得に関係する仕事をしています。測量の作業が終わって、次に図面を書いたり、報告書をまとめたりして、それをまとめて提出したときは達成感があります。また、最近用地取得の方をやっているので、人と接することが多く、相手にうまく説明ができた時は達成感がありますね。
寺田さん)営業として、県や市の方との打ち合わせに同席したり、測量・用地部や整備・技術センターなどの部署との打ち合わせをしたりしています。また、入札の関係で事務手続きの書類を作成するのが主な仕事になります。業界では珍しく女性が多く、管理や技術者になる方も、役職を持っている方もいらっしゃるので、こういう業界で女性が働きやすい職場というのは、入社の狙い通りと言ったら変ですが、本当に想像通りでした。大学の友達など就職してすぐ辞めたいと言う人もいるのですが、私は2年間働いて、そういった感情を抱いたことが全くありませんでした。休みも取りやすくて、毎月実家に帰って、趣味のディズニーランドに通っています。
━入社を考えている若い人にメッセージを。
木浦さん)測量などは座学で学んでいる人たちからしてみれば、難しそうなのかなと思うかもしれませんが、技術が進んで実際は労力的にも簡単になった部分が多いので、どんな人でもやる気さえあれば活躍できる業種だと思います。会社の中でも周りがサポートしてくれて新しいことに挑戦しやすい環境なので、挑戦する気持ちを持った人にどんどん来てほしいですね。
寺田さん)私自身も入社する時に一番大事にしたのは人だったので、仕事内容ももちろん大事なのですが、それ以上に一緒に働きたいと思える人と出会って、働いていただきたいなと思います。そういう意味では働きやすい制度と人が充実しています。特に女性の働きやすさを実感しているので、少しでも興味を持った女性の方は、建設業だからちょっと、と思わずに、ぜひ挑戦してほしいですね。