「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 農業・林業
  • 2025.03.19
【写真1】狩野さん・佐々木さん・千葉さんトップ画像
(右)代表理事組合長 狩野周一さん
(中)2021年入社の職員 佐々木淳さん
(左)2024年入社の職員 千葉愛結実さん
認定企業の事業内容

━はじめに、組合の役割について教えてください。
「自然環境にやさしい森林組合」として、人々の生活と森林をつないでいくのが私たちの役割です。木の種をまき、山に苗木を植え、育てる。そしてその木を伐採し、販売する。この木は最終的に住宅や家具、土木用資材、紙などに姿を変えます。つまり、私たちは循環型の仕事を通して、人々の生活と森林をつないでいるわけです。

━具体的にどのような業務があるのでしょう?
業務は、現場管理業務、森林整備業務、木材生産業務の3つに大別されます。現場管理業務は、契約などの事務作業や森林の調査など、現場全体を管理する業務です。森林整備業務は、刈払機やチェーンソーを使い、山林の下草などの刈り取りや木の間引き作業をします。木を植えてから40〜50年間続く業務です。木材生産業務は、木を伐採し、販売するまでの一連の業務です。間引き作業を繰り返し、50年ほど経った頃に行います。
木を伐採し終えたら、また苗木を植えて育てます。先ほどお話ししたように、循環型の仕事といえます。森林には木材としての価値以外にも、空気の浄化や温暖化防止などさまざまな役割があります。このような森林の公益性の高い機能を、最大限に発揮できる環境を作ることも、私たちの使命の一つです。

【写真2】
ユースエール認定について

━ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。
時間外労働の削減や育児休業の取得など、働き方改革については職場全体で取り組んでいました。その様子を知った地元ハローワークの担当者の方から、「ユースエールという認定制度がありますよ」と教えていただいたんです。その時点で取得できる条件がほぼそろっていましたので、申請し、認定を受けました。

━ユースエール認定を取得してどのような効果がありましたか?
高校を卒業してすぐの採用者は、2022年が5人、2023年が3人、2024年が3人で、宮城県栗原市内の地元社員が多いです。震災・コロナ禍以降、若い方々の地元志向がより強くなっているのを感じます。一方で「林業をやりたい」と、異業種から転職してきた社員もいます。ユースエール認定は両方の人達に魅力を感じてもらえる、働きやすい環境の指標として価値を感じています。

働き方への取り組み

━働き方改革への取り組みについて教えてください。
職場全体のキャリア教育としては、「緑の雇用」という研修制度があります。まず、入社後の3年間で現場技術者としての基礎を身につけ、林業作業士(フォレストワーカー)を目指します。勤続5年以上で、かつ現場作業管理や指導力の向上につながる研修を受けると、現場管理責任者(フォレストリーダー)となります。また、勤続10年以上で企画・営業・販売なども含めた管理責任能力の研修を受けると、統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)へとステップアップします。新しい知識や技術習得へのステップがわかりやすく、自分のキャリアもイメージしやすいと、職員から好評です。

【写真3】狩野さん

━最後にこちらの施設で働いてみたいという若い人へのメッセージをお願いします。
森林は日本が保有する豊かな資源の一つです。その森林がそのまま私たちの職場ですので、他の仕事にはないやりがいを感じられると思います。また、「緑の雇用」研修制度でしっかりとした技術を身につけることで、キャリアを築いていける環境です。自然の中で、ぜひ一緒に働きましょう。

2021年入社の佐々木淳さん、2024年入社の千葉愛結実さんに聞きました
【写真4】佐々木さん
2021年入社の佐々木淳さん

━入社を希望した理由を教えてください。

千葉愛結実さん(以下、千葉さん):高校2年生のときに参加した企業説明会がきっかけです。林業には木を伐採するイメージしかなかったんですが、木を植え、育てることも仕事だと知り驚きました。地元の宮城県栗原市では、放置されている山やソーラーパネルも増え、今まで当たり前に見ていた景色が変わりつつあります。故郷の山々を守ることに貢献したいと思い、入社を希望しました。

佐々木淳さん(以下、佐々木さん):私の地元も栗原市です。小さい頃から山が近くにあり、多くの人が山で仕事をする姿を目にしていたので、林業は身近な存在でした。また、デスクワークよりも体を使った仕事がいいなという気持ちもあり、入社を希望しました。

【写真5】佐々木さん
2024年入社の千葉愛結実さん

━入社してから現在までの仕事内容を教えてください。

千葉さん:計画書や完了届といった書類の作成と、現場の調査・管理をしています。今は先輩と一緒に現場に入り、山の境界や現場ごとの特徴について教わっています。

佐々木さん:午前8時から山での仕事が始まります。今は私を含め6人のチームで、木を伐採しています。伐採した木は「ハーベスタ」という機械で長さを測ったり長さをそろえたりした後、トラックの積み込み場まで運んでいます。

━どんなときに仕事のやりがいを感じますか。

千葉さん:木を植えたあとに、雑草を刈る「下刈り」という作業があります。これが終わると木がすっきりして喜んでいるように見えて。この仕事をしていてよかったなと思います。

佐々木さん:木を倒した瞬間に、スーっと空からの光が森に届くことがあるんです。きれいですし、山と共に生きているという感じがしますね。

【写真6】

━働いてみてわかった「栗駒高原森林組合のいいところ」を教えてください。

千葉さん:堅苦しさのない、アットホームな雰囲気です。もちろん、仕事の中では厳しいときもありますが、いつも明るく話しかけてくれる方ばかり。山の仕事だけでなく、コケの栽培など新しいチャレンジもしていて、みんなでアイデアを出し合うのも楽しいです。

佐々木さん:現場の仕事で体を動かせるのがうれしいです。残業がなく、午後5時には仕事が終わるので、バドミントンの社会人チームに入って練習や指導に励んでいます。職場は面倒見のいい先輩が多く、家族といるときのように安心した気持ちで働けています。

【写真7】

━最後に、組合で働きたいと考えている人へのメッセージをお願いします。

千葉さん:林業は体を動かすイメージがあるかもしれませんが、木を伐採する現場をサポートする仕事もあります。デスクワーク4割、現場6割くらいの感覚です。いつも新鮮な気持ちで働けています。

佐々木さん:この仕事は自然の中が現場です。商品として出荷するまでに長い時間がかかりますが、自分たちが今植えている木は次の世代の資産です。その意味では非常にやりがいを感じます。自分のプライベートも充実させながら、朝から体を動かして、夕方には帰る。そんなメリハリのある生活が送れる点も魅力だと感じます。ぜひ一緒に働きましょう。

【写真8】会社概観
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