「ユースエール認定企業」インタビュー

  • サービス業(他に分類されないもの)
  • 2023.03.01
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左:山本茂樹さん(代表取締役専務)
右:勝部聖也さん(大津事業所メンテグループ クリーンメンテ・2018年入社)


滋賀県大津市にある電気硝子ユニバーサポートは、日本電気硝子グループの障害者雇用に取り組む特例子会社です。法定雇用率の2倍に迫る障害者雇用を目標に、新卒採用を本格化させた2018年にユースエールの認定を受けました。山本茂樹代表取締役専務と中﨑法子障害者雇用統括部長、業務部の森本祥子さんに会社の特徴やユースエール取得の経緯などを、2018年に入社して3年目で副班長に昇格した勝部聖也さんに、仕事のやりがいや今後の目標などについてお話を伺いました。


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山本専務と中﨑部長、森本さんに聞きました
━はじめに事業内容を教えてください。

山本専務)障害者の雇用を進める日本電気硝子グループの特例子会社で、社員は4つのグループに分かれて業務にあたっています。構内売店の運営や軍手製造、印刷業務などを担う「製造販売グループ」、工場設備の維持管理やビルメンテナンス、緑化業務の「メンテグループ」、作業服や無塵衣などの洗濯をする「クリーニンググループ」、受付や電話の取次ぎ、守衛の「警備グループ」です。日本電気硝子の滋賀県内にある主に大津、高月、能登川各事業所でこれらの業務に従事しています。


━特例子会社として1980年設立の会社ですね。

山本専務)当時、障害者の雇用促進が社会課題となるなかで、どんな方にも勤めていただけるガラス会社でありたいというトップの方針から、障害者の雇用を目的に設立する特例子会社制度が導入された4年後にいち早く手を挙げ、全国で6番目に国の認定を得ました。現在、社員183名のうち障害者認定を受けているのは79名で、その6割強が知的障害者です。全員正社員として雇用しています。


━2018年にユースエールの認定を受けました。なぜ取得しようと思われたのですか。

山本専務)2020年の会社設立40周年に、グループ全従業員に占める障害者雇用率を4%にすることが目標として掲げられました。当時の法定雇用率が2.2%だったので、およそ2倍です。その40周年に向けて障害者の採用を活発化させていたことと、若者の採用・育成に積極的な企業を認定するユースエール制度が合致したことが大きな理由でした。認定を取得した2018年度から新卒者を毎年採用し、2022年度までの5年間に15名が入社し、離職者は1名のみです。

電気硝子画像_3 ━設立40周年で目標とした障害者雇用率4%は達成されたのでしょうか。

中﨑部長)達成できました。今は法定雇用率の2倍の障害者雇用を目標としています。現在、民間企業に義務付けられた法定雇用率は2.3%ですが、2022年6月時点で、グループ全体で4.27%、当社では70.59%になります。


━認定を取得して感じる効果や良かったことはありますか。

山本専務)特別支援学校などを訪ねて会社を説明するときに、「ユースエールの認定を受けています」と話せば、雇用環境を整えていることが伝わりやすいですし、名刺にも認定マークを入れてアピールできます。


中﨑部長)認定を取得した2018年以降、当社代表や各事業所長が滋賀県内の特別支援学校や障害者就労支援センターを回って求人活動をしています。正社員採用であることや、ユースエール認定を受けていることが好印象になって、見学や実習の申込数は認定取得前よりも増えました。


━若手の人材育成の特徴的な取り組みがあれば教えてください。

山本専務)新卒採用を強化する一方で、長く働き続けてもらうための研修や体制づくりに力を入れています。その一つがジョブサポーター制度です。一般に多いのは、健常者が障害者をサポートする仕組みですが、当社は障害をもつ社員がジョブサポーターとなって後輩や実習生の指導役を担います。健常者には気づかない点がくみ取れることや、普段教わることの多い障害者の方が教える立場となって成長し、仕事へのモチベーションが上がることを期待した制度です。


中﨑部長)ジョブサポーターには4段階のレベルがあって、本人の意欲やビジネスマナー、指導力などを複数人でみて、各段階の基準に達しているかどうかを判定して適任者を認定しています。現在、ジョブサポーターは9名いますが、そのうち8名が20、30歳代の若い社員です。ジョブサポーター制度は2015年に始めましたが、職務に結び付けて、キャリアアップやスキルアップにつながる制度にしてきたことで、志望する若手が増えて制度も定着してきました。

電気硝子画像_4 ━最後に入社を志望する若い人へのメッセージをお願いします。

山本専務)一人でも多くの障害者の方に働く場を提供したいという目的で生まれた会社です。楽しく長く仕事ができる環境づくりに努めています。私たちの会社の使命を理解し、志望していただけることを期待しています。


中﨑部長)残業はほとんどなく、有給休暇の平均取得日数は年間18日です。働きやすい社内制度の整備も進んでいます。チャレンジ精神を持って入社される方をみんなでサポートする体制があります。そうした意欲のある方に来ていただけるとうれしいです。


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2018年入社の勝部聖也さんに聞きました
━会社に入るきっかけを教えてください。

在籍していた養護学校に新卒求人が出ていて応募しました。実習期間中のお昼休憩に、バドミントンなどのスポーツでリフレッシュしている社員の姿が楽しそうで入社したいと思いました。


━今はどんな仕事をしていますか。

大津事業所のメンテグループで、事業所内の清掃や緑化の仕事をしています。2021年に社内で立ち上がった職域拡大プロジェクトの選抜メンバーに入って、新たな業務にもチャレンジしています。


━新たな業務とは何でしょうか。

床のワックスがけです。業務用のポリッシャーを操作して磨きます。外部の業者に頼んでいた作業を自分たちでやることにし、上司から「挑戦してみないか」と声をかけてもらって選抜メンバーに入りました。それまで頑張って仕事をしていたことを認めてもらえてうれしかったです。ポリッシャー操作の社内認定試験に合格し、今は大津以外の事業所でも作業しています。

電気硝子画像_7 ━仕事のやりがいと、会社の気に入っているところを教えてください。

経験を重ねていくなかで、以前はできなかった広い面積のワックスがけをきれいに仕上げることができ、技能を習得したことが自分でもわかるときにやりがいを感じます。また、入社3年目で副班長に昇格しました。班長を補佐して6人の作業班をまとめています。周りに気を配る大変さはありますが、やりがいが勝っています。
会社の気に入っているところは、残業がほとんどないのと、勤務シフトを調整してもらえて有給休暇が取りやすいところです。中学1年生から始めたバトミントンを今も続けていて、17時15分の定時で仕事を終えられるので、火曜と金曜の20時からの練習に間に合います。2018年のスペシャルオリンピックス全国大会でシングルス4位に入賞したので、次は優勝を目指しています。

電気硝子画像_6 ━今後の仕事の目標を教えてください。

3カ月に1回、上司と面談して業務目標を設定しています。今の目標は後輩への指導がもっとできるようになることと、ワックスがけを上達させることです。上司が推薦してくれたこともあって、ジョブサポーターにも挑戦したいと思っています。


━最後に入社を考えている人へのメッセージをお願いします。

初めての人にもわかりやすい仕事の手順書があって、先輩の手厚いサポートも受けられます。正社員として働けて、どんどんスキルアップができる仕組みがあるので、自分を成長させてくれる会社だと思います。

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