「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 情報サービス業 ソフトウェア業
  • 2018.2.27

アイテップ株式会社

顧問 田中三郎様/総務部 兼 経営企画室 係長 宇出津修一(うでつ・なおかず)様



認定企業の事業内容
―御社の事業内容をお聞かせください。

当社はいわゆるIT企業です。主な事業には「物販」と「開発」があります。物販は、PC、サーバー、PCの周辺機器、パッケージ製品(ソフトウェア)等を仕入れて販売しております。開発は、お客さまの業務内容にあわせたものになります。新規の開発、業務委託での開発、導入支援、運用・保守、ネットワークの構築、機械の修理まで行っております。


―御社の特長はどういったものでしょうか。

当社の特色はトータル的なサービスを提供しているところです。

お客さまは多種多様で、民間企業、病院・クリニック、役所や学校等、業種・業態を問わず、幅広くお取り引きさせていただいております。

PCもメーカーを問わず、IBM、Lenovo、NEC、富士通、さまざまな製品を取り扱っております。サーバーは当社の株主でもあり、ビジネスパートナーのIBMの製品がメイン商品です。


―御社はどのような経緯で創業されましたか。

当社は、株式会社本坊商店が前身になります。グループ会社に本坊酒造や薩摩酒造を持つ、主にお酒や食品の卸業を行っている会社です。80年代に本坊商店がIBMの汎用機を使っていた関係で、県内における日本アイ・ビー・エムの特約店になりました。新規コンピュータ会社設立にあたって、かつて本坊家内に日本アイ・ビー・エムに在籍した者がいたので、彼が常務取締役となって昭和58(1983)年に発足しました。


―社名にはどんな意味がありますか。

アイテップはITEP、Information Technology & Processing の頭文字からとりました。今でこそITという言葉は誰でも知っていますが、当時はまだ浸透しておらず、ITの先見性と、電話帳でア行の最初に掲載されるためにつけたと聞いています。




ユースエール認定の取得理由
―ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。

お恥ずかしながら、ユースエール認定制度自体を知りませんでした。新卒の募集のためにヤングハローワークに行きまして、そこで青少年雇用情報という前年度の残業時間や有給の取得日数等のデータを提出したところ、その情報を見た担当の方から、この条件ならばユースエール認定の資格をクリアしているので、申請してみませんか、というお話をいただきました。鹿児島で、その時点ではまだ1社しか認定されていないということでしたので、応募してみようかと思いました。


―新卒採用に力を入れていたのですか。

また当社は平均年齢が45歳で、かなり高めです。そのため、若手を継続的に採用して、会社の若返りを図りたいという気持ちもありました。採用のためにいい材料になるかと思いまして、申請をしました。


―労働条件はもともと整えられていたのですか。

整えるというほどのものではなかったです。有給だったら、7~9月にお盆休みとあわせるかたちで有給休暇の取得を推奨していました。

どうしてもSE(シテスム・エンジニア)には納期がありますので、納期が近づくと残業時間も増えます。ただ、全社員の平均では基準を満たしていましたし、もちろん60時間とか突出して長時間労働している人はいませんでした。


―離職率はどうでしたか。

基本的に、3年以内の新卒の離職率も、辞めた人間がいなかったので、タイミングがよかったです。それまでは新卒がなかなか集まらなかったり、即戦力ということで中途採用が多かったです。ここ数年は若返りや育成ということで新卒の採用に力を入れています。




ユースエール認定取得の効果
―ユースエール認定取得による効果は何かありますか。

就職説明会に優先的に参加させていただけたのが、効果として挙げられます。落選することがなくなりました。会場でも、学生さんの目に付くいい場所を提供していただいて、労働局の方も悩んでいる学生さんに声かけをしていただいて、当社のブースに案内してくれるなど、とても優遇していただきました。就職説明会でPRするチャンスが増えたというのが、一番の効果ですね。最初は就職説明会に来る学生さんに認定の説明をしても、ポカンとして「知らないです」という反応が多かったですが、去年の中ごろからはユースエール認定について「あ、知っています」という学生さんも増えまして、知名度が高まっていることも感じました。実際、多く集まっていただけたので、効果があったことを実感しています。


―外部に向けての反応はいかがでしたか。

申請した順で、県内では3番目にユースエールの認定を受けたのですが、社長が出席した交付式の様子を、地元のニュース番組でも放映していただきましたし、地元の新聞でも報道していただきました。社員がお客さんのところに行った際、「テレビに出ていましたね」というような反応がいくつもあったと聞いています。



雇用管理や人材育成
―雇用管理で注力していることはありますか。

有給休暇の取得につきましては、「この人でないとできない仕事」というものを、極力なくしております。担当者を正・副つけるなどの工夫をして、有給休暇を取りやすい環境づくりをしています。

衛生管理をしている衛生委員会が毎月行われていまして、時間管理や有給休暇についても議題に上がっていますので、極端に多いときは所属の課長に声かけをしております。

また年に一度の健康診断がありますが、長期の仕事が終わったときに、定期健診以外の健診を受けてもらって、健康管理にも努めています。


―人材教育で注力していることはありますか。

基本的なことは入社時に新人教育を行います。実際の業務は、主にOJTでプロジェクトに入ってもらい、そこで指導します。当社の場合は、何カ月間研修といった決まりはありません。当人の資質やプロジェクト内容にあわせて、それぞれやり方を変えています。

ほかに地力をつけるために、外部のセミナーや、社内のセミナーに積極的に参加してもらいます。


―御社の社風をお教えください。

当社の社是として「笑顔で対応、笑顔で取り組み、笑顔で解決」を掲げております。なにごとも笑顔で取り組んでいこう、という方針です。いろんなことを社員一人ひとりがアイデアを出して、会社をよくしていこうという社風があります。ですから、トップダウンで決められて命令が下りてくるということはほとんどありません。社員が意見を出し、改善委員会で出た意見を検討して、社内のルールとして反映されます。コスト削減や人事評価のルールもそうして決まりました。社員が働きやすい会社にするために、意見を出し合っております。


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