「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2019.05.31

小型化、高性能化が進み、今や人間の暮らしに欠かせない存在と言っても過言ではない半導体。その半導体の組み立てを約50年前から行っているのが、大分デバイステクノロジー様です。長年の歴史の中で培った高い技術力は業界内でも高く評価され、現在は大手半導体メーカーの試作や開発のサポートまで任されています。今回は本社のある大分県大分市を訪ね、管理グループの宮崎一也さんと渡邉裕一郎さんに会社や仕事、さらにはユースエール認定について伺い、さらに若手社員の首藤千佳さんに現在の仕事ぶりや今後の目標を語ってもらいました。

左:宮崎一也さん(管理グループ・グループ長)
中:首藤千佳さん(2017年入社)
右:渡邉裕一郎さん(管理グループ・主務)


大分デバイステクノロジー 管理グループ担当者インタビュー



管理グループ長に聞きました
―はじめに、大分デバイステクノロジーの事業内容について教えてください。

当社は、半導体製造の全工程に関するソリューションを提供する会社です。半導体製造の企画段階から設計、量産までを単体でICとして製品に仕上げていきます。開発・研究・試作・量産のどの段階からでも対応サポートします。ちなみに、私たちの製造している半導体は、自動車から電化製品、通信機器まで、皆さんの日常生活の非常に身近なところで使われています。(宮崎さん)


―会社の強みはどのようなところにあるのですか。

品質の高さ、納期の短さ、コスト意識の共有、柔軟な対応力を、当社では4つの強みとして掲げています。そもそも当社の創業は50年前。機械ではなく、手作業で加工していた時代から半導体製造に関わっているわけです。つまり、半導体の歴史とともに進化し続けている。この長年の歴史の中で培ってきた技術力、緻密さには相当の自信を持っています。また、当社は大手半導体メーカーとともに試作や開発を行うことができる日本でも数少ない会社です。大量生産の対応だけでなく、新しいものへのチャレンジできる体制も私たちの誇りです。 (宮崎さん)



―ちなみに、ユースエール認定を取得しようと思ったきっかけは何ですか?

採用活動の苦戦が大きいですね。これまで新卒採用に関しては、大分県内の学校からの推薦という形で充足していました。しかし、ここ数年、なかなか思うように採用できない年が続いたのです。そうした時期にユースエールの存在を知り、社長の「取得しよう」という一声もあって認定取得に向けて動き出すことになりました。(渡邉さん)


―取得する上で苦労したことなどはありますか?

取得条件についてはすでにある程度クリアできていましたが、社員の勤怠管理をまとめ直す作業が大変でした(笑)。結局、ユースエール取得の取り組みをきっかけに、勤怠管理の自動化を図ることになったのです。ただ、そのおかげで、社員の勤怠状況をこれまで以上に把握しやすくなり、有給を取得してほしい人や時間外勤務を抑えてほしい人も一目でわかるように。もちろん、単に社員に働きかけるだけでなく、業務を分散させる仕組みづくりにも繋げることができました。(宮崎さん)

当社の場合、繁忙期ともなれば、工場は24時間稼働です。そうした中品質や生産効率を落とすことなく、働きやすい環境を整える意識がより高まったと思います。(渡邉さん)



―ユースエールを取得したことによる効果を教えてください。

じつは、1年目はどう活用したら良いのかわからない状態でした(笑)。説明会でユースエールのマークをアピールしても、反応もイマイチ。ただ、ハローワークのPRが効き始めたのか、徐々に認知されるようになり、学生や学校の先生の反応が変わっていきました。特に、進路指導の先生などはユースエール企業のことをよく理解してくださっていて、積極的に紹介してくださいますね。また、ハローワークの全国ネットワークも活用できるため、大分県外の学生さんからも応募が来るようになりました。「大学は県外だけど、地元で就職したい」という学生さんにとっては、ユースエール企業ということが就職先として興味を持つ大きなきっかけの一つになるようです。(渡邉さん)


―なるほど。では、若手社員にどんなことを期待していますか?

当社は変化をよしとする会社です。若手社員が入ってくることで、新しい考え方や意見を積極的に採り入れることができ、経営のヒントを得られています。製造現場では「気づき提案制度」というものを実施していて、全体を見る立場の人では気づかないような細かい部分の改善案を若手社員に提案してもらっているんです。また、働く環境づくりでも、若手社員の意見が大きな影響を与えることがあります。私自身、管理職の立場で会社のことをよく知っているつもりでも、現場を離れると不満や問題点を指摘する声が届きづらくなってしまうため、若手の意見は大いに参考にさせてもらっていますよ。(宮崎さん)



―改めて、この会社で働くやりがいや魅力はなんですか。

大手半導体メーカーにはできない「小回りのきく製造」が当社の持ち味だと思います。お客様の要望に合わせ、新しいジャンルにもどんどん挑戦することができる。その一方で、大手に負けない技術と品質で、暮らしの中の安全や当たり前を守り、私たちの生活に欠かせない製品を作っていることは魅力なのではないでしょうか。(宮崎さん)

福利厚生の良さも大きな魅力だと思います。春は桜の下で歓迎会、夏はBBQ、秋はボーリング大会、冬は忘年会とレクリエーションも目白押しです。社長も「当社は社員140人の家族」と話していますが、一人ひとりの個性を生かしながら一体感ある職場で働くことができます。(渡邉さん)




若手社員に聞きました
—この会社に入社しようと思ったきっかけは?

京都の大学に通っていましたが、就職は地元大分に戻りたいと考えていました。就職活動では就職サイトと同時に自分以外の視点も参考にしたいと思い、京都のハローワークを活用。そこで、職員さんおすすめの条件で検索となり、当社が検索で上がったのです。「デバイステクノロジー?」「半導体事業?」と頭の中は疑問符だらけでしたが、「とにかく働く環境はいいんだ!」と思い、すぐ職員の方から電話を入れてもらい、会社見学の予約をしました。ちなみに、会社見学では、社長が自ら会社の説明をしてくださり、「なんて親しみやすい会社なんだ」と思ったことを覚えています。安心して入社を決めることができましたね。


―入社から現在までの仕事内容を教えてください。

入社後はまず、研修として全ての部署をそれぞれ一週間ずつ回って行きました。各部署をじっくり見て回れたことで、半導体製造の専門用語や生産の仕組み、各部署の役割などをある程度把握することができました。その後、2つの部署で3ヶ月の集中研修を行い、翌年1月から営業部門に本配属になりました。現在は、取引先からのご依頼を受けて、生産現場に反映させていくことが仕事。お客様と現場の間に立つ重要な役割です。



―この会社で働く魅力と、今後の目標を教えてください。

私にとって未知のことばかりで、毎日新しい発見があるのはとても面白いです。ただ、その反面、まだ自分の知識が追いつかず、上司に頼ってしまうこともあります。これからもっと勉強して、半導体についての知識を身につけて、できることを増やしていこうと思います。そして、知識を蓄えた上で、お客様と直接のやりとりを交わし、より多くの提案や意見交換ができるようになるのが目標です。また、当社はリフレッシュできる機会が多く、連休を活用して大好きな旅行にもよく出かけています。



―最後に、就職・転職を考えている若い人たちに一言いただけますか?

最初に就職する会社は、自分を大きく成長させてくれる大切な場所です。しかし、初就職故に入社前とその後のギャップに悩んだり、会社が肌に合わなかったりという理由で、短期間で転職してしまう人も少なくないと思います。また、先輩社員との能力の差に、不安やストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。だから最初の会社こそ、“働きやすさ”を軸に会社を選んでみるのもありだと思いますよ。


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