「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 医療・福祉
  • 2019.05.31

左:加藤純江さん(人事) 右:伊藤麻美さん(2013年入社)


福井県大野市の南西部。周囲を山々に囲まれた自然豊かな場所に大野福祉会様の各種施設は立ち並びます。障害者や生活困窮者など、社会的弱者の人権を守り、社会復帰のための支援を行っている大野福祉会様は、地域社会にとってなくてはならない存在。今回は、理事長を務める木間幸生さんに同福祉法人の成り立ちや特長、理念をお聞きし、ユースエール取得の経緯に関しては採用を担当する人事の加藤純江さんにご質問しました。また、若手社員の代表として、入社5年目となる伊藤麻美さんが仕事のやりがいや今後の目標を語ってくれました。


理事長に聞きました
―はじめに、大野福祉会の成り立ちや特長について教えてください。

設立は昭和35年です。最初は、障害を持った成人を預かる福井県内唯一の施設としてスタートしました。その後、成人の障害者や生活困窮者、さらに障害の中でも知的障害者、精神障害者へと徐々に支援の対象が広がっていきました。結果、現在は定員140名の救護施設である大野荘、障害者支援施設のむつみ園、就労準備を手伝う障害福祉サービス事業所のよもやまに加え、複数のグループホームを運営。加えて、障害者、生活困窮者の相談支援事業も行うなど、福井県内でも最も間口の広い福祉事業所を展開しています。


―大野福祉会として大切にしていることは何ですか?

やはり、一人ひとりの人間の権利、尊厳を守ってあげることが何より大切なのではないでしょうか。私たちは生産性や利益を追い求める組織ではありません。職員の皆さんにも、「利用者さんと日々コミュニケーションを図りながら、人間関係を築いていってほしい」とお願いしています。なかなか成果の見えづらい仕事でもありますが、こうした私たちの大切にしている考え方に共感できる人たちと働きたいですね。とはいえ、人間と人間の関係づくりは大きな疲れも伴うもの。だからこそ、休暇制度をはじめ、職員が働きやすい環境づくりには常に力を入れているのです。その辺りのことは、人事担当の加藤さんが詳しく話してくれると思います。




人事に聞きました
―ユースエールを取得するきっかけは何だったのですか?

先ほどの理事長の話にもあったように、私たちは昔から働く環境づくりに力を入れておりました。そうした状況の中で約2年前にハローワークの担当者の方から「大野福祉会さんは認定の要件を満たすので取得してみては?」と薦められたのです。当時は採用活動に苦戦している時期でもありましたし、若者により積極的にPRできるのならと思い、取得に踏み切りました。取得後は合同説明会はもちろんのこと、高校や大学の企業説明会でも「ユースエール認定を受けている」とPRさせていたただいています。5日間のリフレッシュ休暇や離職率の低さを伝えると、高校生・大学生からの評判も良いですよ。


―休暇制度の他には、どのような環境づくりをされているのですか?

若い人に長く続けてもらうために、常にサポートできる環境を整えています。たとえば、各施設の棟ごとに責任者を配置。困ったことや悩んでいることがあれば、いつでも相談できるようにしています。それから、大野福祉会では研修にも力を入れていますね。ケアマネ研究会では、大学から先生を招いて個別支援計画についてアドバイスをいただいています。あとは、利用者さんの急変にどう対応するかといった訓練も毎年行い、夜勤の時などに若い職員が初めて遭遇しても慌てない下地作りを行っています。



―では、この施設で働く魅力ややりがいは何でしょうか?

研修とも重なりますが、いろいろなことを学べることだと思います。そもそも福井県内に救護施設はここだけですし、様々な年齢の様々なタイプの障害者の支援も学ぶことができます。加えて、高齢者介護の必要性も高く、支援しています。私自身、ここで働き始めて20年が経ちますが、学びが尽きることはないですね。また、利用者の皆さんとコミュニケーションが図れた時の喜びも大きな魅力です。特に、若い職員が接すると、利用者さんの気持ちも若返るようで、とても楽しそうな表情を見せてくれますよ。さらに、私たち職員にとっても、若い方と接することで、新しい気づきがありますし、職場にも新しい風を吹かせてくれるのではないでしょうか。


―最後に、これから入社してくる若い人にメッセージをお願いします。

学べる環境、働きやすい環境を用意してお待ちしています。当然、大変なこともたくさんあると思いますが、利用者さんの心の声に耳を傾けることからスタートしてみてください。そして、それをどう支援につなげていくか。私たちと一緒に成長しながら、頑張っていきましょう。




若手社員に聞きました。
―大野福祉会に入会したきっかけは何ですか?

実家におじいちゃん、おばあちゃんが同居していましたし、もともと高齢者の方と接するのが好きでした。それから、地元で就職したいという思いもあったので、大学進学時から福祉系の道を選択しました。ただ、就職活動の時は一応、福祉法人の他に一般企業や官公庁など幅広く受けました。その中で、最終的にここに決めたのは、実家からの近さと、福利厚生の良さ。休日日数や有給消化率、給与などの各種条件が群を抜いて充実している印象を持ちました。


―その印象は入会後も変わりませんでしたか?

入ってから、なおさら良い印象を持ちました。給与は年々上がっていますし、有給も取りやすい。5日間連続して取得できるリフレッシュ休暇の時は必ず旅行に出かけるようにしています。これまでに母親や友人と沖縄1回、ハワイ2回…。「その休暇で必ず行くぞ」と決めると、仕事をする上でもとても良い目標になるのです(笑)。リフレッシュ休暇の存在は本当に大きいですね。


―ちなみに、現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

現在は、救護施設である大野荘で働いています。ここでの主な仕事は、身体や精神に障害を持つ利用者さんたちのリハビリ活動やレクレーション活動。利用者さんと一緒に体を動かしたり、施設を出て買い物や食事に出かけたり。また、お仕事ができる方なら、軽作業を行ってもらい、私たちはその支援を行っています。仕事をしていて大変なのは、毎日状況が違うこと。精神障害を持つ利用者さんも多いため、日頃からコミュニケーションを重ね、信頼関係のベースを築くようにしています。あと、夜勤の時などの緊急時対応も、入社間もない頃は苦労しましたね。ただ、全員で連携して臨む体制が整っていますし、定期的に研修も用意されているため、経験していくうちに落ち着いて対応できるようになっていきました。逆に、うれしいことは、利用者さんと心が通じあえたと感じた時。他の職員さんには話していないことを私にだけ打ち明けてくれたり、私と話すことで落ち着きを取り戻してくれたり。「利用者さんたちの力になれたかな」と思えた時はうれしいですね。



―今後の目標と就職活動に励んでいる人へのメッセージをお願いします。

今後の目標は、利用者の皆さんにも、施設の他の職員からも今以上に信頼してもらうこと。そのためには相手の求めているニーズをもっと敏感に感じ取る力を身につけていく必要があると思います。あと、就職活動のアドバイスですか。福利厚生が充実しているかどうかはきちんと確認しておいたほうが良いと思います。プライベートが充実していれば、結果、仕事もメリハリが生まれ集中して働くことができます。逆に、ゆとりがないと利用者さんと向き合うこともしんどくなるのではないでしょうか。なので、入社前に福利厚生や実際に働いている職員さんたちの雰囲気などはチェックしておくことをお勧めします。


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