「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2019.05.31

左:島伸行さん(代表取締役社長) 中央:中寺紗央莉さん(2018年入社) 右:島野正行さん(管理部部長)


古くから和紙の産地として有名な石川県金沢市。ここで印刷業を営む大和印刷社様は、印刷事業に限らず大型デジタルサイネージやWebサイトの企画・制作など幅広い事業を展開しており、業界の変化にも柔軟な会社です。今回は、代表を務める島伸行さんと入社1年目の中寺紗央莉さんの2名にインタビュー。ユースエール取得までの経緯や職場環境の魅力について語ってもらいました。


経営者に聞きました
―はじめに、会社の事業内容や特長について教えてください。

もともとは印刷会社として1954年に誕生しました。しかし2000年以降のペーパーレス化や親会社の展開する百貨店が相次いで閉店したことで、包装紙などの印刷の需要が減ってしまったんです。そこで新たな需要を開拓するべく、百貨店に新たなビジネスの提案を持ちかけました。それは、これまで莫大な費用がかかっていた百貨店のショーウインドウを大型デジタルサイネージに変え、そこに百貨店以外の広告を流してメディア化すること。無事に採用が決まり、徐々に私たちの会社は広告代理店のような役割を担うようになりました。その結果、印刷事業の受注生産だけではなく、能動的な姿勢で市場を開拓することができるように。今では、AR(拡張現実)と印刷物を連携して広告効果を生み出す販売促進サービスやネットショップの開設なども行なっています。


―ユースエール認定を取得しようと思ったきっかけは何ですか?

印刷機の専任職の採用に苦労していたことが理由の1つです。取得後、ホームページや会社説明会などでユースエール認定をアピールするようになり、若い方が親近感を持ってくださっているような気がしますね。今は事業も幅広くなったので、いろいろな方が印刷に限らず興味を示してくださるようになりました。そういう方が当社のホームページを見た際にユースエール認定というお墨付きがあると、安心されるようです。



―ユースエール認定を取得する上で苦労したことなどはありますか?

取得するにあたって労働局からご指導をいただき、有給消化の意識改革や残業時間管理の仕組みを整えることには苦労しました。ただ、基準を満たしているかどうかきちんとチェックをしていただくことで、会社のレベルが上がったのはとても良かったと思います。前倒しで働き方改革を行うこともできましたしね。



―では、若手社員に期待していることは何ですか。

一緒に目標を達成したいですね。メンバーによく言っているのは「独立したければどんどん独立してください。自分の仕事をしていただいて結構。でも、このネットワークだけは大事に。仕事が嫌になって辞めるのではなく、せっかくやるならお互いに目標を達成して次のステップに行きましょう」ということ。これだけ事業が広がってくると、社内ですべて抱えることは困難です。むしろ、独立してもらった方がネットワークが広がる。実際に、デザイナーで独立した人がデザインの仕事を紹介してくれたり、Webの営業をしていた人が転職して印刷の仕事を紹介してくれたりして付き合いが続いています。若い方には、自分の目標を持ちながら、人と人のネットワークを大切にして仕事をしてほしいですね。


―大和印刷で働くことで得られるやりがいや魅力を教えてください。

若い方が目標を持って働けるように、半年ごとに仕事の目標を設定して、上司と会社で確認するようにしています。何をしたいのか、どっちへ行きたいのかという目標をお互いに常に意識して一緒に動く。お互いの意志を尊重しあえることは、我々の会社の魅力だと思います。また、今後は働きやすい環境づくりに力を入れていくつもりです。たとえば、育児休暇を取得している方が復帰する際、ブランクのせいで本人が困らないよう休暇中でも在宅勤務の仕事をできるようにしたり、全員が年に5日間のリフレッシュ休暇を取れるようにしたり。あるいは、社内にさまざまな部署ができたため、部門間の交流も積極的に行なっていくつもりです。我々の役目は販売促進に関する様々な業務を担い、クライアントと生活者を繋ぐこと。仕事に集中していると部門内で固まってしまいがちですが、みんなで動いているということやエンドユーザーが喜んでいることを意識することで、仕事のモチベーションを高めていきたいですね。



―最後に、ユースエール認定を検討している企業にメッセージをお願いします。

ユースエール認定を取得したことで、若い方の話をよく聞く機会が増えました。若い方の話には気づかされることがたくさんあり、長く働いている我々にとって貴重な勉強の機会になります。この数年で我が社の事業が大きく変わったように、これからも時代に合わせて変化して行く姿勢が不可欠だと考えます。10年後どうしていくか悩んでいる方には、ユースエールの取得をおすすめしたいですね。




若手社員に聞きました
―この会社に入社しようと思ったきっかけは?

もともと高校も大学も接客業のアルバイトをしていたので、ちがうことをしてみたいと思っていました。この会社に興味を持ったのは、ヤングハローワークで教えていただいて印刷現場を見学したときに、直感で「なんか、すごい!」と思ったことがきっかけ。大学では機械とまったく関係のない勉強をしていたので不安もありましたが、印刷物を通してお客様と関わるのもいいなと思ったことが、入社の決め手になりました。入社後は社会人としてのマナー研修や現場で働くための心構えなどたくさんの研修があったので、入社前に特別な技術を身につけていなかったとしても、心配しなくても大丈夫だと思いますよ。


―現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

1年目のほとんどは研修ですが、今はオンデマンド機で会社の名刺やクーポン券、チラシや冊子などの印刷を担当しています。仕事の内容は、デザイナーの方からデータをもらい、紙をセットしパソコンに入ったデータをコピー機に流すこと。これだけ聞くと簡単そうにも思えますが、断裁するときに寸法がうまくいかなかったり、色が校正紙と全然ちがったりとなかなか難しい作業です。でも、その分、お店に行った時に自分の作ったものを見つけた時の喜びは大きなものです。半年以上前のことですが、ある百貨店に行った時に店員さん全員の胸に自分が印刷に携わったワッペンが付いているのを見た時は、すごくうれしかったです。作っていた時には何に使うものなのかわからず目の前の仕事に一生懸命だったのですが、自分の作ったものが第三者の手に届いてきちんと使われていたことを知り、思わず隣にいた母に自慢してしまいましたね(笑)。こうした喜びは、この仕事の大きなやりがいと言えるかもしれません。



―この会社で働く魅力と、今後の目標を教えてください。

印刷業界と聞くと休みが取りづらいと思われるかもしれませんが、残業もほとんどありませんし、休みもしっかり確保できています。担当する仕事や時期にによって多少の差はありますが、有給も取りやすい環境だというのは先輩たちを見ていても実感できます。別の会社で働いている友達の中には有給が取りにくいと言っている子もいるので、そういう意味では働きやすいと思います。今後は、オンデマンド機以上に幅広い印刷のできる機械を任せてもらえるようになりたいですね。そして、一日も早く一人で正確に印刷できるようになりたいです。


―最後に、就職を考えている若い人たちに一言いただけますか?

就職活動は、視野を広げる良い機会だと思います。たとえば合同説明会では自分の知っている企業や興味のある企業の話を聞きに行くとは思いますが、実は世の中の企業の大半は自分の知らない企業。私自身もそうでしたが、そういう企業の話を聞くことで自分の興味の幅が増えますし、新たな発見もあると思います。あまり決めつけすぎず、幅広く見てみることをおすすめしたいですね。


ページトップページトップへ戻る