「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 医療,福祉
  • 2020.04.24
創新ウェルネス1

日本の人口における高齢者の割合は、2025年には約30%、2060年には約40%に達するといわれています。その状況を支える介護事業は、今最も将来性が期待される仕事のひとつ。2016年に大阪府堺市に開設以来、着実に利用者の心をつかんで日々の支えとなっている「ポシブル堺鉄砲町」は従来のデイサービスの内容だけでなく、リハビリを充実させた介護施設です。今回は運営会社「創新ウェルネス」の取締役を勤める江田さんにお話を伺い、その特徴と施設の様子についてお話をいただきました。

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江田昇平さん(取締役)


―主な事業内容を教えてください。

リハビリ特化型のデイサービス「ポシブル堺鉄砲町」の運営や管理を行っています。老老介護が増えてきている今、ストレスなく生活できる人を少しでも増やしたい、高齢者ができる限り自立して介護する方の負担を減らしたいという代表の想いで、この施設をスタートさせました。「積極的自立支援」をコンセプトとして必要なリハビリを必要なときに、必要な分だけ提供できるよう従業員一同努めています。


―会社としての強みを教えてください。

当事業所は、JR西日本グループ「ポシブル医科学」のフランチャイズですが、本部と連携が取りやすいので改善を図りやすく、地域に合わせてオリジナリティを出しながら運営しています。一番の特徴は個人に合わせたリハビリが行えるように、さまざまな機器を取り揃えていることです。例えば、天井から吊るされた赤いロープ。これは「レッドコード」と言って、体に負荷をかけずにストレッチや筋力アップができるので大変好評です。こういった機器を利用していただくことで、運動機能の維持そして向上を図っています。

創新ウェルネス3 ―その他に特徴はありますか?

従業員はみな、「生活の一部としてどう楽しんでいただくか」を大切に考えていて、昨年夏から施設内でさまざまなイベントを開くようにしました。南大阪はお祭り好きが多いので(笑)夏祭りウィークを設けて、法被や浴衣を着て河内音頭を踊ったときはすごく盛り上がりましたね。
実はこのイベントは、従業員からの意見で始まったものです。月に一度、「利用者さんの満足度アップを考えるミーティング」を開いており、そこで「リハビリ重視ではなく利用者さんに寄り添って、もっと楽しみをプラスしよう」という声が挙がったのが始まりです。他にも水引で飾り作りをしたり、手形で絵を描いたりと利用者さん全員に楽しんでいただけることをどんどん提案しています。
一般的なデイサービスではイベント開催もよくありますが、リハビリ重視の施設では意外と少ないんです。さらにそういった施設で少ない、「入浴」を行うのも当施設の特徴です。生活の一部をサポートすることがご本人やご家族のためになるだけでなく、スタッフにとっても近い関係性を築くことに繋がっています。体の動かし方やコンディションを確認することは、よりよいサービスのご提案に必要不可欠です。実際、事業としては非効率なのですが(笑)。それ以上に寄り添うことを大切にしています。


創新ウェルネス4 創新ウェルネス5 ―では、ユースエール認定を取得したきっかけを教えてください。

ハローワークさんからの紹介です。堺市で取得企業がいなかったので、最初に取得することで採用に有利になればと思い、2018年に認定を取得しました。有給の取得率や時間外労働時間も問題なく、スムーズに申請することができました。当社では他にも誕生日休暇を設けたり、定期的な個別面談を行ったりとこれまでも働きやすい環境づくりは整えてきたつもりです。


―ユースエール認定を取得してどんなメリットがありましたか?

取得後はハローワークさんが積極的にサポートをしてくださり、求人の問い合わせも増えています。ユースエールを知る以前から業務時間の使い方について工夫をしていたので、内部ではこれといって変化はありませんが、スタッフにとっては一層働きやすい会社だという意識を持ってもらえたのかな、と思っています。


―現在勤めている方々にとって、やりがいはなんでしょうか?

みな、利用者さんの笑顔がとっても好きなんです。毎日いらっしゃる利用者さんもいれば、週に一度の方もいます。それぞれの時間の中でここへ来ることを楽しみのひとつと思ってもらいたい、と考える温かいスタッフばかりです。もちろん、利用者さんの運動機能が良くなることも私たちの喜びです。なので、積極的に数々のトレーニングの研修に参加し、勉強してくれています。
すごくうれしいエピソードを一つご紹介させてください。施設内に飾ってある従業員の似顔絵は、利用者の亀尾さんが自ら描いてきてくださったんです。昔から絵を描くことがお好きだったそうですが、右手に麻痺を患ってからは描くことをためらっていました。そこで、リハビリを開始すると、少しずつ描けるようになり、次第に利き手を反対の左手でもトライして絵を描かれるようになったんです。私たちにとっては描いてもらったこと、そして自主的にそのように行動を起こしてくれたことが何よりもの励みになり、大切に飾っています。

創新ウェルネス6 創新ウェルネス7 ―若手社員が貴社に与える意義はなんでしょうか?

まず利用者の方にとって、コミュニケーションの質が変わることが良い刺激になります。孫の世代になると大変かわいがられることも多く、現在勤めている若手社員も利用者さんととても良い関係性を築いています。
そして、スタッフにとって若手に教えることは、自分たちの業務を改めて見直し、気づきを得るきっかけとなるので、施設のブラッシュアップにとても重要な役割を担ってくれると考えています。


―介護職未経験で入社することも可能ですか? また仕事において大切だと思うことをお教えください。

はい、可能です。入社後は1カ月OJT研修を行います。その後も業務のチェックリストを元に先輩と一緒にスキルアップを図っていきます。介護福祉士などの資格を取得された場合はお祝い金もお渡ししています。
この職場で大切なのは相手の気持ちになれること。さまざまな利用者さんがいらっしゃるので、何度もコミュニケーションをとりながら接遇の仕方を探り、気持ちの良い関係性を築いていける方が向いていると思います。



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