医療法人 協治会は、大正13年に長崎県で初めて民間の精神科病院を創設しました。のちに「杠葉(ゆずりは)病院」に名称を変更。長い歴史と伝統とともに地元での信頼も築き上げてきた専門医療機関です。丘の上の緑に囲まれた病院では、日々利用者に寄り添ったサービスが提供されています。2017年にはユースエール認定を取得。従業員にとっても働きやすい環境づくりについて、院長の上田康雄さん、事務長の冨永晃之さんに聞いてみました。そして、若手の精神科ソーシャルワーカーのお二人にもお話お伺いし、職場の雰囲気や仕事のやりがいについて教えてもらいました。
(左から)冨永晃之さん(事務長)、上田康雄さん(杠葉病院 院長)
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―主な事業内容を教えてください。
精神科・心療内科を主とした「杠葉病院」を運営しております。精神障害や認知症などそれぞれの症状に合わせて対応できるよう入院病棟も用意しています。なお、高齢の患者さまも多く、肺炎などの症状にも対応できるように内科、歯科も設けています。他には出張相談や訪問看護も行っています。
―貴院の強みを教えてください。
現在、健康経営宣言を行い、従業員の健康維持や働きやすい環境づくりに取り組んでいます。まず特徴として挙げられるのが、時間外労働時間の少なさ。2018年度は一人あたりの月平均が0.56時間でした。当院は精神科が主なので、救急案件が少ないことが他の医療機関との違いです。なので、医師も他のスタッフもアフターファイブは勉強や趣味の時間に費やすことができます。また、病棟内でコミュニケーションがうまく取れているので、休暇も取得しやすく、お子さんのいる職員は学校行事で休むことが多いですね。
キャリアアップ制度も充実しており、ここ7年の間で当院に勤務しながら貸与制度等を利用して、介護福祉士の資格を取得した方が8名、准看護師資格は6名、看護師資格では3名おります。資格取得後に一定期間当院で勤めたら返還の義務はないという制度で、ステップアップを目指すスタッフが活用しています。
―その他に貴院ならではの特徴はありますか?
スタッフが参加できる院内イベントが充実しています。写真は院長が敬老会でフルートを披露しているところです。楽器が得意なスタッフで院内コンサートを開いたり、スポーツ大会を開催したりとさまざまです。最近では長崎市で行われた新春駅伝に男女各6名のチームで参加しました。参加者には若手も多く、イベントをきっかけに横の繋がりが生まれています。
―ユースエール認定を取得しようと思ったきっかけを教えてください。
ハローワークさんからの薦めです。優良企業のマークをもらえることで企業面談会に呼んでいただいたり、高校へのお知らせを優先的に行っていただいたりというのは、求職に有利だろうと思いました。認定にあたって苦労したことは提出資料の作成くらいで、基準をクリアしていたため、スムーズに認定をもらうことができました。
―ユースエール認定を取得してどんなメリットがありましたか?
以前は中途採用がほとんどでしたが、取得後は新卒者の応募が明らかに増えています。今年は高卒2名、大卒2名の採用が決まりました。新しい医療知識を持ったスタッフが加わることは私たちにとって、大きな強みとなります。例えば、近いうちに認知症の方へのケア技法「ユマニチュード」を取り入れますが、それにあたっても新しいスタッフの意見も尊重して進めていきたいと考えています。
本多耕祐さん(精神科ソーシャルワーカー/2017年入社)
山本望貴さん(精神科ソーシャルワーカー/2017年入社)
- 若手社員に聞いてみました
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―現在の業務について教えてください。
主に相談業務を担当しています。新規患者さんの対応も含む電話相談、入院患者さんの相談、外来での相談やご家族の相談など、ケースバイケースで対応しています。認知症やうつ病などさまざまな症状を持った患者さんがいらっしゃるので、どういったことで悩んでいるかを伺って、支援していきます。(本多さん)
相談者の話を理解するために、相手に寄り添い、話しやすい環境づくりを心がけています。また、こちらから伝えるときには、内容が伝わるように分かりやすい言葉を選んだり、絵や図などを使用して理解してもらったりもします。特に電話相談は顔が見えないので、相手が安心できるように意識しています。(山本さん)
―入社を決めたポイントは何ですか?
見学をした際に他の病院と比べて、ソーシャルワーカーと患者さんとの繋がりが強いという印象を持ちました。患者さんに頼られている先輩の姿を見て、こういう仕事がしたいなと思えたんです。(本多さん)
私も同じです。その他には、現在の上司や職員のみなさんの雰囲気が温かいというところも決め手でした。実際に上司との距離感が近く、丁寧に指導してくださり感謝しています。(山本さん)
―業務でやりがいを感じたエピソードがあれば教えてください。
外来や訪問看護で何度も携わっていた方が入院されたことがありました。最初は入院を拒んでいたのですが、しっかりと向き合って接し、無事に退院された後に施設へ面会に行きました。記憶を留めるのが難しい方なのですが、お会いしたらだんだんと私のことを思い出してくれて。涙ながらにこちらへ話しかけてくれたことは忘れられません。(山本さん)
やっぱり、患者さんが喜んでいるときは僕たちもうれしくなりますね。また、自分自身の成長を感じられることもやりがいの一つです。最初はなんでも業務を引き受けていたので、失敗もありました。そういったときに先輩方が指導をしてくれるので、徐々に多くのことをこなせるようになり、今では自分のキャパシティーを把握しながら取り組めるようになりました。(本多さん)
―入社してみて感じた、貴院の魅力を教えてください。
休みが取りやすいことですね。オンとオフを切り替えやすい環境なので、すごく助かっています。(本多さん)
私は社内のスポーツイベントなどにも積極的に参加しています。先日は駅伝にも参加しました! リフレッシュになるだけでなく、他部署の方との繋がりが持てるのもうれしいですね。部署内で誕生日を祝うなど、温かな環境が励みになっています。また休みも調整しやすいので、数カ月に一度は旅行に行って好きな街を散策したり、趣味を堪能したりと楽しんでいます。(山本さん)