「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 医療・福祉
  • 2023.03.01
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左:鈴木楓さん(介護職員・2018年入職)
右:渡辺知美さん(法人本部事務局長)


「従業員の満足なくして ご利用者の満足なし」。山梨県富士吉田市で介護と保育施設を運営する社会福祉法人明清会が掲げる理念です。国が進める働き方改革に呼応して2018年から、職員が誇りをもって働ける職場環境づくりに取り組み、その証として「くるみん」「えるぼし」に次いで2022年にユースエール認定を受けました。2021年度には法人全体の離職者ゼロも達成しています。渡辺知美法人本部事務局長に認定取得の経緯などを、2018年に入職し、「社員ファースト推進チーム」委員長を務める介護職員の鈴木楓さんにやりがいなどのお話を伺いました。


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渡辺事務局長に聞きました
━はじめに事業内容を教えてください。

明清会は富士吉田市で2003年に設立した社会福祉法人です。中心となる事業は「慶和荘」の名前で展開する特別養護老人ホームやショートステイ、デイサービスなどの介護福祉事業で、敷地内には事業所内保育所の「もりのいえ保育園」を併設し、職員の子どもだけでなく外部のお子さんも預かっています。2023年4月には介護、保育、障害者福祉サービスを提供する複合型施設を市内に開設予定で、地域の福祉ニーズに応え、サービスの充実に取り組んでいます。2023年1月時点で正職員98名、パート職員31名の計129名の従業員がいます。全体の約7割が女性で、20代は約2割です。


━法人の特徴を伺えますか。

「従業員の満足なくして ご利用者の満足なし」を理念に掲げて、一人ひとりが誇りを持って働ける職場環境づくりを進めているところが特徴です。従業員の離職防止を図るため、国が進める働き方改革に合わせて2018年から取り組みを始めました。その推進役として、従業員の要望や意見をすくい上げる職員数名で構成した「社員ファースト推進チーム」をつくり、これまで様々な社内制度を整えてきました。


━どのような社内制度を設けたのでしょうか。

保育所や学校帰りの子どもを施設で受け入れる子連れ就業制度のほか、ひとり親や障害児、慢性疾患の子どもがいる職員を対象に、治療や授業参観など教育に関わる行事に適用する特別有給休暇制度を設けました。不妊治療もこの制度の対象に加え、これまで男女複数名が利用しています。いずれも取得日数に制限はありません。これらは理事長直属の「社員ファースト推進チーム」がアンケートや普段の会話を通して、従業員の意見や要望を把握してプランをまとめ、理事長との話し合いで制度化したものです。こうした子育て支援などの取り組みもあって、2021年度に法人全体の離職者ゼロを達成できたのだと思います。

明清会画像_3 ━2022年にユースエールの認定を受けました。なぜ取得しようと思われたのですか。

「社員ファースト推進チーム」が主導する制度づくりと、職場のリーダーが中心となって職員の時間管理に努めることで時間外労働削減などの働き方改革を進めてきました。その結果として、2019年に子育て支援に積極的な企業を国が認定する「くるみん」、2020年には女性の活躍推進に積極的な企業を国が認定する「えるぼし」を取得したのですが、この2つを取った後に山梨労働局から、ユースエール認定の条件もクリアしていると教えていただいて申請することにしました。職員の求めに応えて労働環境を整えてきたことが認定取得につながった形です。


━ユースエールを取得して良かったと感じることはありますか。

採用担当が高校や福祉の専門学校に出向いて会社説明をしていますが、「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」の3つの国の認定マークを入れた名刺を先生方にお渡しすると好意的な反応が返ってきます。生徒たちへのキャリア教育の場でこれらの認定を、企業選びで大事な視点として、価値を伝えていただけるのではないかと期待しています。


━最後に入職を志望する若い人へのメッセージをお願いします。

「従業員の満足なくして ご利用者の満足なし」という理念の通りに、働く人一人ひとりを大事にする職場です。このことは自信をもって言えます。誇りをもって働ける職場であり、質の高い福祉サービスの提供に今後も取り組んでいきます。


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2018年入職の鈴木楓さんに聞きました
━こちらの法人を志望した理由から教えてください。

介護の専門学校の実習先としてお世話になったときに、介護職員や栄養士、看護師などの職種を超えて、職員同士が和気あいあいとしていて、話しやすい雰囲気がありました。福祉の現場で大切なのはコミュニケーションだと思っていたので、まずそこに魅力を感じました。また、実習のときに、職員の充実が利用者の生活の充実につながるという言葉をいろんな方が口にされていて、法人全体で共有するその考え方に共感したことも志望した理由です。


━現在の仕事内容と、日ごろ心がけていることを教えてください。

特別養護老人ホームの入所者の食事やお風呂介助など日常生活の支援が主な仕事です。心がけているのは、家で過ごすような雰囲気を感じてもらって、お年寄りの皆さんがリラックスできる生活の場にすることです。そして、些細なことですが、「今日はどの服を着たいですか」「お菓子はどれがいいですか」と入所者の方に選んでもらう声かけをして、ご本人の気持ちを尊重するようにしています。どのようにケアすれば、その人らしい生活が送れるのかを考えて仕事をすることが楽しいですし、その結果として「ありがとう」という言葉をもらえることにやりがいを感じています。

明清会画像_5 ━明清会の好きなところはどこですか。

2022年4月から「社員ファースト推進チーム」の委員長を務めていますが、広く従業員の声を聞いて、働きやすい職場づくりに反映させる体制があるところです。


━入社5年目で、約130名の従業員の代表的な役割に就いたことをどう受け止めましたか。

指名を受けたときは、「ありがとうございます、でも私でいいんですか」という感じでしたが、すごく嬉しかったです。プレッシャーに感じるよりも、私自身が気軽に考えることで、従業員の皆さんも気軽に意見を言い出せる雰囲気をつくって、より良い職場にしていけたらと思っています。もともと前に出る性格ではないのですが、「若い人の意見は大事だよ」と先輩方に言われてから、自分の考えを言葉して行動できるようになりました。ここで働くようになって、積極的な性格に変わったように思います。

明清会画像_6 ━今後の仕事の目標を教えてください。

入所されている皆さんの生活をもっとより良いものにすることです。それがどうすればできるのか、経験を積んで知識やスキルを身に付け、アプローチの引き出しを増やしていきたいと思います。


━最後に入職を考えている人へのメッセージをお願いします。

生活時間の半分くらいを職場で過ごすので、そこでの人間関係は大事です。ぜひ自分に合った職場を見つけてほしいと思います。介護職は利用者を大切にすることは大前提ですが、その生活を支える職員が充実感をもって働ける環境があるかどうかもとても大事なことだと思います。職員の声に耳を傾ける体制があり、職員をしっかりと守ってくれるこの明清会を私はおすすめします。

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