「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 一般土木建築工事業
  • 2024.01.19
【写真1】カナツ技建工業トップ画像

左:島田恵さん(建築部・2020年入社)
中央:三角敦嗣さん(総務部長代理)
右:加藤龍也さん(建築部・2021年入社)


島根県松江市で土木・建築業を営むカナツ技建工業は、情報通信技術(ICT)を活用したICT施工に先進的に取り組み、国土交通省の「i-Construction大賞」を2回受賞して全国的にその名を知られています。2017年ごろから労働時間短縮を目標に働き方改革を推進し、その成果が数字に表れた2022年にユースエール認定を取得しました。三角敦嗣総務部長代理に認定取得の経緯や人材育成の考え方を、異口同音に「人間関係がいい」と語る2020年入社の島田恵さんと2021年入社の加藤龍也さんに会社の好きなところや仕事のやりがいを伺いました。


【写真2】三角総務部長代理
三角総務部長代理に聞きました
━はじめに事業内容を教えてください。

1938年に創業し、1954年に有限会社金津組として建設会社の第一歩を踏み出しました。以来、土木工事と建築工事を中心に、地域のインフラを支える事業を続けています。また、1980年に環境事業部を創設し、上下水道の処理施設の建設や維持・管理を行う水処理事業にも取り組んでいます。


━会社の特徴や強みは何でしょうか。

85年を超える歴史の中で築き上げた地域との信頼関係です。社員の技術力が、この信頼関係を支えています。現在、建設現場では業務の効率化を図り、情報通信技術を活用したICT施工が中心になってきていますが、私たちは全国的にも有数の先進企業として評価されています。建設現場の生産性向上において優れた取り組みを表彰する国土交通省の「i-Construction大賞」で、第1回(2018年)の国土交通大臣賞を受賞し、2021年には優秀賞を受賞しました。

━ICT導入例としてはどのようなものがありますか。

自動追尾型の測量機を用いて業務の省力化を図っているほか、地上型レーザースキャナーや無人航空機(UAV)を使った測量によって地形の3次元データを取得し、設計の精査や施工管理に生かしています。また、VR(仮想現実)を利用した設計確認や、MR(複合現実)やAR(拡張現実)技術を利用した地域住民への現場説明も行っています。


━ユースエール認定を2022年に受けています。取得の経緯を教えてください。

若手の人材確保は厳しい状況が続いています。全社を挙げてインターンシップや企業説明会などに取り組んできましたが、なかなか人材の確保に結びつきませんでした。一方、働き方改革を2017年ごろから進めた結果、残業時間の抑制や有給休暇の取得増などの効果が現れてきました。男性の育児休業の取得も啓発活動に力を入れたところ、社内に積極的な考え方が広まり、実績ができました。そのタイミングでハローワークの職員の方に勧められ、認定取得に向けて動きはじめました。


━ユースエールを取得して得られた効果を教えてください。

公的な認定なので、企業にとって大きな強みになることは間違いありません。合同企業説明会では、ブースにのぼりを立ててPRしてもらえますし、そののぼりを見て話を聞きに来た求職者もいます。「安心して働ける職場なんだな」と思っていただけるのだと思います。

【写真3】三角総務部長代理
━若手社員の雇用についての考え方をお聞かせください。

「この会社で働きたい」と思ってもらえるような職場作りがすべてだと思っています。また、当社の事業が持つ意味合いや、入社した後にその事業にどのように関わっていくのかを理解してもらい、その上で選んでもらえるようにと考えています。人材確保が難しい時代なので誰でもウエルカムとしたいのですが、納得感なしで来てしまうとミスマッチが生じ、お互いにとって良いことは何もありませんから。


━人材育成のための取り組みにはどのようなものがありますか。

一日でも早く一人前になってもらうため、資格取得の支援をしています。さらに、2022年からeラーニングシステムを導入し、先輩社員が講師となって現場管理のノウハウを短い動画で配信する「カナツアカデミー」を開設しています。隙間時間を使い、スマホやパソコンで現場業務の予習・復習ができます。コンテンツも徐々に増えてきて、多くの若手が利用しています。


━入社を希望する若い人へのメッセージをお願いします。

建設の仕事は単に図面通りにものを作るのではなく、その先に安心・安全を作るという大きな役割があります。人が暮らしていく上でなくてはならない業種の一つです。私たちが安心して安全に暮らせる場所を、一緒に作っていきましょう。


【写真4】島田さんと加藤さん
2020年入社の島田恵さんと2021年入社の加藤龍也さんに聞きました
━入社を希望した理由を教えてください。

島田さん)松江市出身なのですが、大学は他県にある建築学部に進学しました。就職活動をする際に生活のしやすさを考えて松江の企業を探し、この会社での約1週間のインターンシップを通じて、「社内の雰囲気がすごくいい」と感じました。社員同士が気軽に接していたんです。働きやすさに重きを置いていたので、入社を志望しました。


加藤さん)私も大学で建築を学びました。松江市で生まれ育ち、高校や大学も市内だったため、地元で就職して恩を返したいという気持ちがありました。会社説明会やインターンシップで対応してくれた社員の方の人柄が良く、先進技術を取り入れているイメージもあったため、この会社を志望しました。働き始めてからわかりましたが、現場を担当していると忙しいんです。そうしたなかでもインターンシップでは学生たちに真剣に向き合ってくれていたのだと、今になって感じます。


━入社してから現在までの仕事内容を教えてください。

島田さん)現場で施工管理をしています。これまでオフィスや学生寮などを担当しました。現場では安全、品質、工程、原価の管理をするのですが、新人はまず安全管理を覚え、慣れてきたら品質管理や工程管理を経験します。どういう作業にどれくらいのお金がかかるかがわかってきたら、原価管理も任せられます。4年目の今は原価管理もしています。


加藤さん)私は島田さんの1年後輩で、今は安全管理と品質管理の段階です。


【写真5】島田さんと加藤さん
━どんなところに仕事のやりがいや面白さを感じますか。

島田さん)仕事の内容は多岐にわたり、自分の考えで現場を動かす面があるので、その分、やりがいがあります。何カ月もかけて工事をし、完成したときには達成感があります。お客さんに「ありがとう」と言われるときが一番うれしいですね。楽しい仕事です。


加藤さん)私も達成感がやりがいですね。小さい頃は家を作る大工さんに憧れていたのですが、工程全部を見ることができる施工管理がやりたいと思うようになり、この仕事に就きました。今、全部の工程が見られて勉強になりますし、楽しいです。


━会社の好きなところを教えていただけますか。

島田さん)人間関係がすごくいい会社です。先輩方は若手の教育に積極的で、質問するとすぐに答えてくれます。コロナ禍が収まって飲み会も増えてきて、そこで悩み事も聞いてもらえます。女性社員がだんだんと多くなって、女性の技術者同士で交流する機会ができていることを心強く感じています。


【写真6】島田恵さん

加藤さん)周りにいる人たちの人柄が良くて話しやすく、すごく居心地のいい会社です。動画で勉強ができるカナツアカデミーも、わからないところは何回も見られる点が特に気に入っています。大学4年の時はコロナ禍の影響で、パソコンで授業を受けることに慣れていたので、取っつきやすく感じました。


【写真7】加藤龍也さん
━今後の目標を教えてください。

島田さん)建築業界では、コンピューター上に作成した建物の3次元モデルに建築に関するあらゆる情報をまとめて、それを活用して効率的に現場運営しようという流れがあります。私も社内でその取り組みに携わっています。新しいものを取り入れて、より良い現場運営を目指したいと考えています。


加藤さん)まだわからないことだらけなのですが、早く一流の施工管理者になりたいです。


━入社を考えている人へのメッセージをお願いします。

島田さん)人間関係の良さが魅力です。学ぶ意欲があればどんどん知識は増えるし、教えてくれる先輩社員はいっぱいいます。意欲的な人に来てもらえたらと思います。


加藤さん)若手がすごく多く、今の現場も10人中7人が20代です。若手同士で話したり、先輩にも聞きやすかったりする良い環境です。ぜひ若い方に入社してもらって、一緒に建設業を盛り上げていけたらという気持ちがあります。


【写真8】カナツ技建工業社屋外観
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