「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 機械設計業
  • 2024.01.19
  • 日鋼設計株式会社(広島県)

    PRsheet
  • 入社前の職場体験で会社の雰囲気を伝える
    若手社員が思いを表せる場を多く設定
    人を大切にし、成長を支援して働きがいを醸成

【写真1】トップ画像

左:西川通剛さん(射出機械設計課・2022年入社)
中央:大下真雄さん(代表取締役社長)
右:西本隼人さん(樹脂機械設計課・2019年入社)


広島市の日鋼設計では、広々としたオフィスで社員たちがパソコンのモニターに向かい、産業機械の設計の仕事をしていました。家族的で信頼関係に満ちた社風を持ち味とし、入社を希望する若者には職場体験や先輩社員との対話会を通して会社の雰囲気を伝えています。「ユースエール認定は私たちの活動に説得力を持たせてくれます」と話す大下真雄社長に認定取得のお話を、2022年入社の西川通剛さんと2019年入社の西本隼人さんに会社の良さや仕事のやりがいについて伺いました。


【写真2】大下社長
大下社長に聞きました
━はじめに事業内容を教えてください。

日本製鋼所が製造する産業機械の設計を行っています。設計と言っても、機械設計、電気設計、ソフトウエア設計からエンジニアリング業務、設計した機械の現地試運転業務まで多岐にわたります。扱う産業機械の範囲も多種におよび、プラスチック関連の押出機、フィルム・シート製造装置、射出成形機、プラスチック以外の産業機械やマグネシウム射出成形機、防衛産業で使われる特機製品などが挙げられます。


━プラスチックの押出機や射出成形機とはどのような機械ですか。

押出機は、プラスチックの原料を加熱・混練して溶かし、特定の形に押し出す機械です。射出成形機は、できたプラスチックを入れて溶かし、製品の形にする機械です。この機械でつくられる製品は、パソコンの筐体や車のバンパーなどさまざまです。

━会社の特徴や強みは何でしょうか。

もともと日本製鋼所から分社した会社なので、同じ敷地内にあります。産業機械もこの敷地内の工場で製造しているため、自分たちが設計したものを自分の目で見て、自らの設計にフィードバックできる環境にあります。設計者としての早期のレベルアップにつながるうえ、製品に対する愛情も自然に醸成されていると考えています。


━2021年にユースエールの認定を受けました。なぜ取得しようと思われたのですか。

2020年は新型コロナ感染の影響もあり、あまり忙しくありませんでした。そこで、厚生労働省の雇用調整助成金を受けて、リスキリングやDX推進を目的に広島職業能力開発促進センター(ポリテクセンター広島)の各種セミナーを利用しました。そうした活動を理解してくれた広島労働局やハローワーク広島の方から、「認定を取得しませんか」と提案してもらったことがきっかけです。


【写真3】大下社長
━取得に際して苦労されたことはありますか。

取得の苦労はありませんでしたが、2021~22年度にかけて忙しくなり、残業時間や有給休暇の取得日数が認定基準を満たせなくなる可能性が生じました。コロナ禍で在宅勤務が増えてパソコンが売れたことで、プラスチックの射出成形機の製造が増えたんです。「認定を受けて1年で更新できなくなるのでは」と心配しましたが、勤務の負荷を早めに予測し、社内でやりくりしたり、外注したりして認定を継続できました。


━ユースエール認定を取得して良かったことは何でしょうか。

私たちの活動に、より説得力を持たせてくれています。会社説明会やインターンシップで「アットホームで良い会社です」と説いても、なかなか信用してもらえませんよね。そこで、実際の職場を体験し、年の近い先輩たちとも対話をしてもらい、家族的で信頼関係に満ちた雰囲気を感じてもらうようにしているのですが、認定はこの活動の助けになっています。先輩たちは自信を持って会社の良さを説明しています。


━若者が働きやすい環境づくりとして、特に取り組んでいることはありますか。

職場を良くするための茶話会(ワイガヤ会)を開催し、グループごとに議論してもらっています。保健師が心の面や職場環境についてヒアリングし、会社に改善を提案することにも取り組んでいます。上司との意思疎通を図る2Wayコミュニケーションも定例で行うなど、とにかく若者が自分の思いを表現できる場を多く設けるようにしています。


━入社を希望する人に向けてメッセージをお願いします。

設立当初から、「従業員に優しく、家族に優しく、女性に優しい企業」を目指しています。女性従業員比率も高く、女性の活躍の場も増えてきました。この家族的で信頼関係に満ちた社風のもとで、全従業員が働きがいを持った風土を醸成していこうとしています。皆さん、一緒に頑張って、会社をさらに良くしていきましょう。


【写真4】3人の談笑
2022年入社の西川通剛さんと、2019年入社の西本隼人さんに聞きました
━入社を希望した理由を教えてください。

西川さん)学生時代は高等専門学校に通い、ロボット製作の技術やアイデアを競い合うNHK主催の高専ロボコンに5年間挑戦しました。そこで機械設計を担当し、設計を仕事にできたら楽しいだろうと考えるようになりました。求人票を見るなかで、社名に「設計」と入ったこの会社に興味を持ったのがきっかけです。職場を見学させてもらい、良い印象を受けて入社を志望しました。


西本さん)東京の大学に通っていたのですが、地元の広島で働きたいと考えました。広島に戻って就活を始めた約1週間後に西日本豪雨が発生したんです。就活しようにも「会社説明会は今は無理です」という会社が多く、電車が止まっているので実家から遠いと面接に行くのも難しい状況でした。そうした状況下で出向いた日鋼設計でしたが、会社説明会の担当の方の人柄は良いし、社員との対話の場も設けてくれる。「なんて良い会社なんだ」という印象を持つなかで内定を得て、入社を決めました。


【写真5】西川通剛さん
━入社してから現在までの仕事内容を教えてください。

西川さん)プラスチックの射出成形機の図面を作っています。今はまだベテランの方の割り振りに従って図面の一部を作図している段階です。


西本さん)大学では数学が専門だったので製図の知識はなく、入社1年目はひたすら製図を習う日々でした。2年目は作図の指示を出す仕事に変わり、3~4年目は3Dプリンターを使って装置の模型をつくるプロジェクトのリーダーを任されました。5年目の今は解析の仕事をしています。解析は、実際の装置の運転をシミュレーションして、どういった部品に力が加わるかなどを調べる業務です。


━仕事にやりがいや面白さを感じていますか。

西川さん)かなり感じています。自分で作図したものが、同じ構内にある工場で組み立てられていて、週に1回は見に行ってます。現物が見られるのはモチベーションとして大きいですね。最近、新しい図面を描く機会も出てきて、やりがいを感じています。


西本さん)私も実機を見られることが一つのやりがいだと捉えています。ほかには、いろいろな装置を介して世界とつながっていることです。私が担当している機械は海外の顧客が多く、現地で機械を据え付けた様子を写真で見ると、「本当に海外でつくられているんだな」と実感します。感慨深いですよ。


【写真6】西本隼人さん
━会社の好きなところはどこでしょうか。

西川さん)親切な方がすごく多いと感じています。私は質問をすることが多いのですが、何が知りたいのかをうまく伝えられないことがあります。そんな場合でも一通り教えてくれて、その後に、「今の言い方は誤解を招くかもしれないね」などとアドバイスをしてくれるので、ありがたいです。


西本さん)成長をすごく支援してくれるところです。資格試験への挑戦を奨励し、会社が受験の費用を負担してくれます。また、職場の人間関係の良さが影響していると思うのですが、私の仕事を評価して声をかけてくれます。私が数学を専攻していたことも上長がずっと気に留めてくださっていて、スキルを発揮できる場を設けてくれました。人を大切にする文化が根付いている会社だと思います。


━入社を希望する方に向けてメッセージをお願いします。

西川さん)ものづくりが好きな人にぴったりの仕事なので、高専で学んだ方、来てください。


西本さん)自分の学生時代の専門で、将来のキャリアを決めつけないでほしいと思います。会社に入ってから勉強すれば、いくらでもスキルは身に付きます。この会社は社員の個性をきちんと見てくれるし、成長する環境も整えてくれています。やりたい仕事があれば、思い切ってその道に進んだら良いのではないでしょうか。


【写真7】会社外観
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