「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 中小企業等金融業
  • 2024.01.19
  • 関信用金庫(岐阜県)

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  • 働きやすさをアピールしようと認定を取得
    有給休暇は年12日以上取るように推奨
    女性職員のキャリアップを積極的に推進

【掲載1】トップ・3人集合写真①

左:宮崎勇希さん(山王通支店渉外係・2021年入庫)
中央:石竹智範さん(常務理事・総務部長)
右:澤村香凛さん(美濃支店預金係・2020年入庫)


岐阜県関市に本部を置く関信用金庫。1908年の創業以来、他の金融機関との合併のない単一信金として県中濃地域15市町で営業を続けてきました。2020年に県内の信金として初めてユースエール認定を受けるとともに、有給休暇の取得徹底や女性職員のキャリアアップ施策を積極的に進めています。ユースエールを取得した理由や社内制度への取り組みについて石竹智範常務理事・総務部長に話しを伺い、2020年入庫の澤村香凛さんと翌年入庫した宮崎勇希さんに志望理由や働きやすさについて語ってもらいました。


【掲載2】石竹常務理事左向き①
石竹常務理事・総務部長に聞きました
━はじめに事業の内容と特徴を教えてください。

岐阜県関市を中心に県中南部の中濃地域15市町を営業区域とする信用金庫です。12店舗に嘱託・パートを含む232名の職員がいます。1908年創業と歴史は古く、ハサミや包丁、爪切りなど刃物関連を主産業とする中濃地域の中小企業や個人への融資、預金業務など、狭域高密度のサービスに徹してきました。ここ数年は経営支援や資産運用の相談など支援力強化に努めています。2024年5月には美濃加茂市内に13店舗目を開く予定です。1992年以来の新店舗になります。


━2020年にユースエールの認定を受けましたが、取得した理由を伺えますか。

地方に共通する課題ですが、若者が都市部に流出し、地元へのUターン者が減っているなかで、働きやすい環境を整えたユースエール認定企業ということが学生へのアピール要素となり、就職希望の動機付けになればと考えて取得しました。労働局やハローワークが開催する就職面接会に優先的に参加できることも期待しました。

━認定を得たことによる効果や変化はありますか。

ユースエールの認定後に学生のエントリー数が増えたという状況は残念ながらまだありませんが、取得が社内体制づくりをさらに進めるきっかけになりました。積極的に取り組んできたのは有給休暇の取得促進です。ユースエールの認定基準で有給休暇については、正職員の平均取得率が70%以上か、年間取得日数が平均10日以上となっています。この徹底を図るために、子育て中の職員などが柔軟に取りやすいように2020年度から時間単位の取得を可能にし、2023年度から6月と10月を「有給休暇取得推進期間」に定めて、職員同士が相談して計画的に取るように促しています。23年度の目標として、有給休暇を年12日以上取得するよう全職員に周知しました。また、管理職の人事考課に対して、休暇の取得しやすさを含めた職場環境づくりを評価の一部として採り入れました。


【掲載3】石竹常務理事右向き①
━2022年度の職員の月平均所定外労働時間が4.5時間とありました。どのようにして残業を抑えているのでしょうか。

何か特別な施策を打ったわけではなく、長年の呼びかけで残業をしない風土が定着しました。20年ほど前に社内調査をしたら、残業の多い店舗ほど営業成績が良くないことがわかりました。自分の仕事は終わっているのに周りが帰らないので残っているような状況がありました。そうした環境を変えようと人事課が残業の抑制を指導し、残業が多すぎると業績評価に響くようにしたときもありました。次第に無駄な居残りが減っていった感じです。ユースエール取得前の2019年度の残業は月平均7.68時間でしたが、20年度は5.54時間、21年度は4.52時間、22年度は4.5時間と今も着実に減っています。


━休日が多く残業が少ないというのは、ワーク・ライフ・バランスを重視する若い人へのアピール要素になりますね。

その点を見て会社説明会に参加する学生は確かにいます。当金庫はユースエールだけでなく、岐阜県が仕事と家庭の両立支援の模範となる企業を認定する「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」にも選ばれています。会社説明会ではそれらの認定マークを見つけて話題にする学生の声も聞こえてくるので、会社の取り組みをアピールできる要素になっています。


━社内で力を入れていることはほかにありますか。

女性のキャリアップと活躍の場を広げる取り組みです。女性活躍推進行動計画を2022年度に策定し、27年度までの5年間で「管理職に占める女性職員の割合を5%以上」「渉外係(営業職)の10%を女性職員にする」などの数値目標を設けました。2023年11月末時点で、計画策定前にはゼロだった管理職(課長)を2名(全体の4.9%)、渉外係に5名(同8.9%)を起用し、計画を前倒しで進めています。預金係は女性、営業は男性という従来の慣習や、女性職員を渉外係に配属すると辞めてしまうのではないかといった思い込みを改めました。実際、皆さん生き生きと仕事をしています。活躍の場を広げ、有給休暇や残業対策で働きやすさを整えてきたことで、出産を理由に退職する職員はほとんどいなくなりました。


━こちらの信用金庫で働いてみたいという若い人へのメッセージをお願いします。

新入職員の不安を受け止める体制があり、働きやすい環境も整えています。地元に密着した信用金庫で働く喜びは、お客様に名前を覚えていただける関係性が築けることです。自分を売り込むような気持ちで仕事に挑める人に来てほしいと思います。


【掲載4】澤村香凛さん右向き①
2020年入庫の澤村香凛さんと2021年入庫の宮崎勇希さんに聞きました
━入庫を志望した理由から教えてもらえますか。

澤村さん)商業高校で学んだことを活かす仕事がしたいと思ったことと、生まれ育った関市で人の役に立ちたいという思いから選びました。ワーク・ライフ・バランスが図れていて、女性が働きやすい職場だと知ったことも志望につながりました。


宮崎さん)大学は愛知でしたが、地元である関市の企業で働きたいと思って就職先を探すなかで、関信用金庫で働く知り合いから、お客様との距離が近いので感謝の言葉が直接聞けて、地元に貢献している実感があるという話しを聞き、志望しました。


━これまでの仕事内容を教えてください。

澤村さん)入庫して約2年半は関市の東支店で融資係をしていました。その後、美濃市の美濃支店に異動して現在まで預金係として窓口業務に携わっています。入出金や振込み、お客様の依頼に応えたり、当金庫の商品の情報提供をしたりしています。


宮崎さん)入庫して半年間は仕事を覚えるために事務仕事全般と窓口応対を経験しました。その後に関市の山王通支店へ配属になり、渉外係として法人や個人のお客様への営業活動をしています。担当は400軒ぐらいで個人のお客様が約9割です。最初は家の場所やお客様の顔を覚えることが大変でした。


━どこに仕事のやりがいを感じますか。

澤村さん)私がおすすめした定期預金や定期積立をつくっていただくことも嬉しいのですが、教えてくれてありがとうと感謝の言葉をかけていただいたり、笑顔を見せてくださったり、そうしたお客様とのやりとりにやりがいを感じています。


宮崎さん)私も同じで、営業担当としてお客様の自宅や会社を訪問して、対面でやり取りをするなかで感謝の言葉を聞けることです。


【掲載5】宮崎勇希さん左向き①
━最近は対面営業が苦手だと話す若い方も多いようですが。

宮崎さん)私もどちらかというと、対面や大勢の人の前で話すことが苦手な学生でしたが、場数を踏むことで徐々に慣れてきました。先輩たちの言葉選びや接客の様子を参考にして自分なりに試行錯誤してきて、3年経った今は飛び込み営業もしますし、初対面の方との会話も緊張せずにできるようになりました。


━関信用金庫の良いところはどこですか。

澤村さん)残業が少なく休みがしっかりと取れるところです。効率的に仕事ができる環境なので、17時15分の定時までに終えられます。仕事量が多かったり、困ったりしている様子を気にかけて、助けてくれる上司や先輩が多く、安心して仕事ができます。


宮崎さん)上司や先輩との距離が良い意味で近いところです。入庫半年で営業に出たときはわからないことだらけでしたが、私が1人で悩みを抱え込まないように、忙しいなかでも時間を割いて私の話を聞いて、仕事の進捗などを確認してくれました。若い職員が働きやすい職場環境だと感じるところです。


━月の残業時間と有給休暇の取得について教えてください。

澤村さん)残業はない月もありますし、年度末などの忙しい月でも5時間はいかないくらいです。今年の有給休暇は11月に平日5日と前後の土日を合わせて9連休を取り、友だちと有馬温泉やディズニーランドに行きました。


宮崎さん)残業は月平均でみても10時間は切っています。平日夜の時間を使って勉強し、今年はファイナンシャルプランナー3級とExcelのMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格を取りました。有給休暇は7月に9連休をもらい、観光客の少ない平日を狙って京都を旅行しました。


【掲載6】本店全景
━最後に関信用金庫で働きたいと考えている人へのメッセージをお願いします。

宮崎さん)働き方改革が進み、システム化による業務の省力化もあって残業の少ない職場です。わからないことを先輩に質問しやすい環境があるので、新入職員にとって働きやすいと思います。


澤村さん)金融知識など身に付けることは多いのですが、研修や通信講座で学ぶ場を会社が用意してくれるので不安なく働けます。残業もほとんどなく、休日の予定も立てやすいので、仕事もプライベートも充実した時間をもつことができると思います。


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