「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2019.05.31

左:片山峰伸さん(代表取締役社長) 中:春名亮さん(2018年入社) 右:伊藤進介さん(人事担当)


岡山県備前市に位置する岡山大鵬薬品株式会社様は医薬品を取り扱う大塚グループの一員であり、抗がん剤に強い大鵬薬品の子会社という立場で、外用剤に強みを持つ製薬メーカーです。特に、昔からよく使われるタイプの湿布剤の国内シェアはトップクラス。グループ会社の知見やネットワークを生かし、少数精鋭の組織でユニークなビジネスに取り組んでいます。今回は、社長に代わって常務取締役の尾関有一さんと人事担当の伊藤進介さん、そして入社2年目で現在技術管理課で働く春名亮さんにインタビュー。ユースエール取得までの経緯や取得後の変化、この会社で働く魅力などについて語ってもらいました。


常務に聞きました
―はじめに、岡山大鵬薬品の事業内容や特長について教えてください。

もともとは東京都青梅市に拠点を置いていましたが約30年前に本社と工場を備前に移し、社名も現在の岡山大鵬薬品株式会社になりました。私たちのビジネスは大きく分けて2つあり、1つは外用剤事業、もう1つが抗がん剤を主体としたオーソライズドジェネリック事業です。外用剤ではトップクラスのシェアを誇る湿布剤のほかに、炎症を抑える医療用ステロイド剤の製造・販売などを行っています。通常、外用剤をメインとする製薬メーカーが抗がん剤領域を取組むことはあまりありませんが、我々が得意としている外用剤と親会社の抗がん剤領域をコンビネーションした製品も開発できることが我々の強みです。またオーソライズドジェネリック事業について、我々は抗がん剤のオーソライズドジェネリックを実質的に日本で初めて製造販売した会社なんです。本製剤は、親会社であり先発メーカーである大鵬薬品の許諾を受けて製造されています。そのため、先発医薬品と同様の品質保証や情報提供を行うことができます。安心して医療を受けられる社会づくりに貢献していますね。



―この会社で働くことで得られるやりがいや魅力を教えてください。

巨大な製薬メーカーである大塚グループの一員でありながら、当社自体は少数精鋭の組織ということではないでしょうか。つまり、インフラや福利厚生は大塚グループの一員だからこその安定を得られる一方、働き方や成長はベンチャーの柔軟さ、スピード感で行えるということです。社員数も約150名ですし、1人当たりの役割は相当に大きいと思います。たとえば症例を管理する部署でも、大手製薬メーカーであれば、担当する領域がある程度限られてしまうのに対し、当社の場合、1人で幅広い領域を担当します。そのぶん、様々知識を身につけ積極的にトライできますし、万一、わからなくなった時には親会社の担当者に詳しく確認することもできます。同様に、開発部門ではニッチな領域に挑戦することができます。親会社の持つ膨大なデータも活用できるため、特殊な領域でもビジネスが成り立つのです。このように、仕事のやり方もビジネスモデルもおもしろくやれるのがここで働くことの魅力だと思いますよ。



―では、若手に期待することは何ですか?

まずは、現状を正確に把握できること。市場環境を把握できないと変化に対応できませんよね。もう1つは挑戦することを恐れないこと。その背景にあるのは海外との取引の増加です。製造は田舎の備前ですが、実は原料は世界中から取り寄せており、製品もグローバルに展開しています。海外の方とのコミュニケーションができないと初めから諦める人よりも、コミュニケーションを取ろうとする人を積極的に採用したいですね。実際、入社して2~3年目の社員も海外の仕事に抜擢しています。業務において年数は重要なファクターではありますが、誰もが納得できる取り組みをしている方には、たとえ若手でも積極的に役割をお願いしています。



―会社の今後の展望について教えてください。

トップクラスのシェアを持つ外用剤、親会社の強みを生かせる抗がん剤のオーソライズドジェネリックビジネスのように、岡山大鵬にしかできないことをやっていきたいですね。ユニークなビジネスモデルは海外でも通用すると思っていますし、実際にそれに向けて取り組んでいます。新しいことに挑戦する際には皆一斉のスタート。誰もが平等な状況で、若手社員にはぜひ活躍してもらいたいですね。




人事に聞きました
―ユースエール認定を取得しようと思ったきっかけは何ですか?

きっかけは、地元のハローワークに紹介していただいたこと。大塚グループの中で唯一の地名を冠した会社として、何か岡山に貢献したいという考えからでした。ただ、ユースエール取得の一番の目的は経営者の視点を変えること。以前社員全員にヒアリングを行った際に、人事としての私のミッションは採用と育成、定着と活躍であると感じました。ユースエールの取得が組織や人事などの企業体系を見直すきっかけになるのならと思い、取得に踏み切りました。



―ユースエールを取得したことによる効果を教えてください。

取得にあたり、高校生や高専生などの採用に力を入れるようになりました。それは、現状を見える化したことで、新しい事業を起こすために若手の採用・育成が必要だという認識が高まったからです。また、ユースエールの取得は社内や経営者へのメッセージにもなりました。たとえば残業を減らしたり有休取りやすくしたりするには、仕事を効率化する必要がありますよね。入社する若い人にとってそれが当たり前なら、そういう概念を持っていない先輩方も後輩の要求に対応して変わっていかざるを得なくなります。単に仕事を探される若い方に良い影響を与えただけでなく、そこから派生して社内の意識も変わっていきましたね。



―最後に、これから入社してくる若者にメッセージをお願いします。

会社が何かしてくれるわけではないんですよね。自分のやりたいことを受け入れてくれる会社、自分が会社を変えられるかもしれないと思える規模の会社を見つけられると、きっと早い夢の実現になるんじゃないかと思います。我々には、大企業にはない魅力があります。若者の活躍が期待されるところなので、ぜひ自分のやりたいことで会社に貢献してほしいと思いますね。




若手社員に聞きました
―この会社に入社しようと思ったきっかけは?

高専では電子制御工学科で機械や電気、情報について幅広く学びました。車やバイクが好きだったこともあり、最初は自動車関係の会社に就職しようと考えていたのです。この会社の存在を知ったのは、仲の良かった祖父がきっかけ。使用していた抗がん剤が大鵬薬品の製品だったんです。祖父の病の影響もあり、徐々に就職活動の軸が、自動車から人に関わる仕事へと変化していきましたね。また、岡山大鵬薬品の小規模ながらチャレンジできる環境にも魅力を感じました。


―現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

12月までは製造現場で製造機器の操作を行っていましたが、1月から研究開発部の技術管理課に配属になり、工場のトラブルの早期復旧システムの確立などを担当しています。ここでの仕事は、現場の担当者とのやりとりも多く、最初の配属先の経験が大いに役立っていますね。最初に製造現場を経験することでお互いを知った状態で取り組むことができますし、良い経験をさせてもらったと思います。一方で、現在の部署は製造現場とは異なり、いかに製造ラインのトラブルを防ぐか、また起きてしまったトラブルに対していかに対処するかが課題になります。他部署を巻き込んで、方法を模索していかなければならないのが一番難しいところ。なかなか方法が見つからず苦労することも多いですが、現場から頼られるととても嬉しいですね。トラブルを解決できたときの達成感は、クセになりそうです。



―この会社で働く魅力と、今後の目標を教えてください。

まず、風通しがいいですね。人数が少ないというのもありますが、1つの建屋に部署が複数あるので、他の部署の方ともよく休憩に行ったり、話を聞いてもらったりすることができます。またメンター制度もあり、直接的な上司ではない先輩に働く上で気になったことや他部署のことなどを月に1回、ざっくばらんに相談しています。働きにくいと感じたことはないですね。今後は、会社の手厚い支援を受けながら、積極的に資格取得を目指しています。資格取得によって仕事の領域を広げるとともに、より現場からの信頼も勝ち得ていきたいですね。


―最後に、就職・転職を考えている若い人たちに一言いただけますか?

技術経験を積んでいきたい人にとって、若手育成に力を入れていることは重要なポイントだと思います。岡山大鵬薬品は現在伸び盛りで、これから新たな人材を受け入れることでより成長していく会社です。企業理念である「私たちは人びとの健康を高め満ち足りた笑顔あふれる社会づくりに貢献します」という信念に関心を持っていただける方には、ぜひ来ていただきたいですね。


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