「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 建設業
  • 2023.03.01
  • 野田建設株式会社(佐賀県)

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  • 若者が働きたいと望む会社にしようと
    認定基準クリアに向けた働き方改革を実行
    有給休暇の取得日数倍増、男性の育児休業も実現

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左:野田久美さん(総務部長)
右:中村雅さん(工事部・2022年入社)


「ユースエール認定制度ができたころから取りたいと思っていました」と語るのは、佐賀市にある野田建設の野田久美総務部長です。その認定基準を満たすために、数年かけて働き方改革を実行。100日の年間休日や有給休暇の取得促進、有給による男性の育児休業制度も創設し、2021年に念願の認定を受けました。その道のりを伺うとともに、2022年に入社した3人の新卒採用者の一人である中村雅さんに、現在の仕事ややりがいなどについて話を聞きました。


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野田総務部長に聞きました
━はじめに事業内容と会社の強みを教えてください。

現社長の祖父が1947年に創業した土木工事の建設会社です。これまで道路や河川工事が多かったのですが、最近は老朽化した上下水道管の取り替えやメンテナンス、耐震化を中心に公共工事が事業全体の約8割を占めます。特に下水道の工事では特殊工法や経験、技術力を強みに、佐賀県内だけでなく福岡や熊本などにも施工圏を広げています。


━ユースエール認定を取得するきっかけは何ですか。

直接のきっかけは、ハローワークの女性職員の方から「ユースエールを取りませんか」という電話を2020年にいただいたことです。その電話で私が「実はずっと取りたくて、有給休暇の取得が認定基準までもう一歩なんです」とお伝えし、そこから女性職員の方とのやり取りが始まりました。


━なぜ認定を取りたかったのですか。

私が入社した翌年の2014年に、ハローワークで高校の新卒求人を出したのですが、応募者が1人もいませんでした。そのころ、ユースエール制度がスタートすることを知り、この認定条件を満たせば、まじめで実直な会社であることを若い人に発信できると思いました。ただ、当時は所定外労働時間と有給休暇の年間取得日数が基準に達していなかったので、2021年の認定取得まで数年かけて、働き方改革に取り組みました。

野田建設画像_3 ━認定基準のクリアに向けて、どのような働き方改革に取り組んだのですか。

まず休日を増やしました。6月の梅雨時期から猛暑が続く9月半ばまでの土曜日を休みにして、年86日だった休日を2年間かけて2020年に100日にしました。若い人が求人票を見比べたとき目を引くように、休日を3ケタにしたかったんです。さらに社員には有給休暇を積極的に取るように呼びかけて、年平均6日だった取得日数が2020年には10日になり、現在は12日にまで増えました。時間外労働については総務が毎日全社員の勤務時間をチェックするようにして、残業が多い社員には月の半ばに電話して警鐘を鳴らしています。また、2017年には男性社員が育児休業を取る際、連続5日まで有給にしました。2021年から22年にかけて2人の男性社員が有給休暇も使って10日から2週間の育児休業を取っています。


━ユースエールを取得するまでに苦労したことはありますか。

有給休暇を取ることや残業時間を減らすことなど、社員の働き方の意識を変えることが大変でした。休まないことが美徳のような働き方に何十年と慣れた社員からは「休んでもやることがない」と言われたこともありました。最近は「趣味を見つけないといけないな」と話すベテラン社員も出てきて、徐々に意識が変わり、新たな働き方が定着してきたように思います。


━認定を取得して良かったことはありますか。

認定基準を維持することで、雇用環境の「質の保証」を得て、それを外向きにアピールできることです。認定が会社の自信と安心感につながって、さらに良い仕組みを作りたいと考えるようになりました。採用活動で、ハローワーク主催の合同企業説明会や高校の就職指導の先生との名刺交換会に優先参加できることもメリットに感じています。

野田建設画像_4 ━若手の人材育成に関する取り組みを教えてください。

当社を選んだ若手が長く働いてくれるように、2022年の新卒採用3名に対して体系だった新人教育を始めました。ベテラン社員がスコップの図説まで載せた道具や仕事の手引書を作成して座学を行いました。また、入社してから3カ月ごとに、その間にできるようになったこと、困っていること、今後やってみたいことなどを書き記す「振り返りシート」をつくって、その内容をもとに上司と面談をしています。思い悩んでいることを早めにキャッチできるようにコミュニケーションを図る機会が必要だと思って始めました。現在29名いる社員のうち11名が10歳代と20歳代です。30、40歳代の中堅社員が少ないので、若い社員の採用と定着は、熟練者の技術を継承するうえでも重要で、会社としての教育力を上げているところです。


━最後に入社を志望する若い人へのメッセージをお願いします。

経験や資格の有無は求めていませんし、コミュニケーションがうまくなくても大丈夫です。挨拶ができて、自分の言葉で必要なときに話すことができれば、先輩たちが上手に受け止めてくれます。この会社でがんばってみたいと思う人を、両手を広げて待っています。


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2022年入社の中村雅さんに聞きました
━入社を志望した理由から教えてください。

小さいころから地図に残るような仕事がしたいと思っていて、工業高校の建築科で勉強し、就職先も建設会社を考えていました。求人票では給料と休日の数だけをみて探していたのですが、野田建設は年間休日が100日を超えていて、他では見ない休みの多さが決め手になりました。


━今はどんな仕事をしていて、どのようなときにやりがいを感じますか。

現場監督のもとで技術補助員として働いています。工事の作業や測量の補助、書類作成の手伝いに加えて、現場で危険がないように見回りをしたり、通行人への注意喚起をしたりしています。やりがいは、できないことができるようになったときです。最近では、距離や角度を測る、一般に「光波」と呼ばれる測量機器があるのですが、これを平らな地盤なら5分以内で設置できるようになったことです。

野田建設画像_6 ━会社の好きなところ、気にいっているところはありますか。

上司や先輩がやさしいところです。話しやすいので、わからないことがあっても聞きやすく、コミュニケーションでストレスを感じたことはありません。年の近い社員が多いので、定時の17時半に仕事を終えた後も、長いときは2時間くらい会社に残って雑談をしています。また、3カ月ごとに「振り返りシート」を記入して工事部長と面談していますが、自分ができるようになったことをその都度評価もらえることがうれしいです。


━今後の仕事の目標を教えてください。

国家資格の2級土木施工管理技士を早く取りたいです。学科試験に受かった後に実地試験や3年ほどの実務経験が必要なので、取得はまだ先ですが、工事を仕切る現場監督の立場になって会社に貢献していけたらと思います。


━最後に入社を考えている人へのメッセージをお願いします。

同業他社と比べて休みが多く、有給休暇も取りやすいです。上司や先輩方がフレンドリーに接してくれるので、とても働きやすい会社だと思います。

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