「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2019.05.31

右:橘信治さん(管理グループ) 左:吉田章吾さん(2008年入社)


福岡県北九州市門司区。本州と九州の接点となる関門海峡近くに工場を構える関門製糖株式会社様は、創業100年を超える歴史と最新の生産設備を有する製糖工場です。ばら印のパッケージは九州地方の家庭では馴染みが深く、また幅広い製品の生産を行っていることも大きな特徴とのこと。さらに、長い歴史の中で常に従業員の働きやすさを考え続けてきた関門製糖様。今回は、採用を担当する管理グループの橘信治さんと、現在入社10年目となる吉田章吾さんのお二人に、会社の魅力、ユースエールの効果、仕事のやりがいなど、いろいろなお話を語ってもらいました。


人事に聞きました
―はじめに、関門製糖の事業内容や特長について教えてください。

当社は1904年創業の製糖メーカー。オーストラリアなどから輸入された原料糖をもとに、上白糖、グラニュー糖、三温糖などの結晶の大きな製品も手がける国内有数の多品種工場です。主な流通先は、九州全域と山口、広島などの中国地方ですが、東京や関西のお客様からもご注文をいただくことがあります。ちなみに、有名な和菓子屋やカステラや等から当社の砂糖をご指名で使用いただいております。多品種の砂糖を製造し、個別のお客様のご要望にもお応えすることができる生産体制は、当社の大きな魅力ではないでしょうか。


―ユースエール認定を取得しようと思ったきっかけは何ですか?

採用活動を行う中で、当社の知名度の低さが大きな課題でした。「[すずらん印] 「ばら印」など、生産している砂糖のブランド名はよく知られているのですが、就職活動中の高校生や専門学校生に関門製糖という社名を知ってもらう機会はほとんどありません。そこで、採用力の強化を図っていく中で、ユースエール認定マークの存在を知り、取得を目指すことになりました。


―取得する上で苦労したことはありますか?

じつは、当社はコンプライアンスやワークライフバランスといった言葉がまだまったく普及していないような昔から、働く環境づくりを重視する会社でした。なので、ユースエールの取得にあたっては大した苦労はなく、改善する項目もなし。残業時間も短く、年次有給休暇の消化率も常に高い数字を達成しています。また、社員の健康指導などにも力を入れており、社員には働きやすい環境で仕事をして、健康であって、そして幸せになってほしいと常々考えています。会社がそうした社会的な責任を果たすことで、そのぶん、社員もモチベーション高くしっかり働くウィンウィンの関係を築くことができるのではないでしょうか。


―ユースエールを取得したことによる効果を教えてください。

この採用活動の難しいご時世に、厚生労働省という国の機関から「ホワイト企業ですよ!」とお墨付きをもらえることは、かなり大きなメリットだと思います。会社のホームページはもちろん、就職のナビサイトでもユースエール認定を受けていることを大きくアピールしています。今年も「このマークがあるということは、いい会社なんですね」と言ってくれた学生がいて、手応えを感じています。当社はまだ毎年新卒採用を行うまでには至っていませんが、これからもどんどん活用していこうと思います。



―では、若手社員が組織に与えるメリットはなんですか。

ずばり、組織の新陳代謝が活発になることが挙げられます。当社は門司が本社工場となり他に工場がないため、転勤がありません。また専門的な業務が多いため、工場内の異動もほとんどありません。一般的な企業のように、大きな人事異動があればダイナミズムが起きて、そのたび、組織は活性化するのでしょうが、それがありません。しかしながら、やはり組織には何らかの動きが必要なのです。ですから、若手社員の入社は関係性や役割に刺激を与えるうえでもとても重要なこと。組織全体に大きなリフレッシュ効果があります。


―御社で働くことで得られるやりがいや魅力を教えてください。

砂糖の甘さは、様々な料理やお菓子に形を変えながら人を笑顔にしてくれます。その笑顔を守るためにも、私たちは安全も品質も十分に配慮した製品を生産しなければなりません。この工場で働くことになれば、そうした大きな責任感とやりがいを持つことができるのではないでしょうか。また、製糖工場の仕事は、半年や一年で簡単に身につくものではありません。しかも、現在の工場は少数精鋭で稼働させているため、一人ひとりの業務の責任はとても大きくなります。ただ逆に言えば、一人ひとりが技術者であるという自覚を持ちながら問題解決に当たることができるということです。


―これから入社してくる人達にメッセージをお願いします。

仕事を覚えることは当たり前のことですが、それに加えて社会人としての勉強も忘れないでほしいと思います。文章を書いたり、お客様とのコミュニケーションを図ったり、社会人として学び成長してくことを、会社は必要としています。若手社員の成長を大いに期待している会社ですから、ぜひ頑張ってください。




若手社員に聞きました。
―関門製糖に入社したきっかけは?

私は工業高校の出身なのですが、母親が協力会社で働いていたことが縁で、就職活動を兼ねて当社の工場を見学させていただきました。その時の第一印象が、まず広い!さらに、案内をしてくださった社員の方がとても明るい方で、職場も楽しそうに感じられて、入社を決めました。入社後もその印象は変わりませんでしたね。今年でもう10年目になりますが、のびのび働かせていただいています。


―入社後はどんな仕事を任されるのですか?

入社後は、まずは砂糖の製造方法についてしっかり勉強をします。原料である“原料糖”の状態から“製品サイロ”に入るまで、どんな工程を踏んで、どのように製品として完成していくのかを一つひとつ勉強していきます。機械科の出身とはいえ、砂糖の製造機械に関してはまったくの素人。入社当初は、初めて聞くような専門用語を覚えるだけで大変でした。そして、一通り工程を学んだら、次は実際に機械を操作し、仕組みを理解していく研修に入ります。長い時間をかけてじっくりと、製造方法や製品、会社について理解を深められるのは魅力ですね。


―現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

現在は工場にある機械を整備・管理する仕事についています。機械に異変がないかをパトロールし、トラブルがあれば直せる部分は自分たちで機械の修理も行います。責任は重大。機械の異変を早期に発見し、トラブルを未然に防ぐことができたときは、工場や製品を守っているのだというやりがいを感じます。また、自分たちの作っている砂糖が、じつは有名なお菓子の材料に使われていて、多くのお客様が口にしているといった事実も誇らしいですし、モチベーションの向上につながりますね。さらに、製糖工場は365日フル稼働しているわけではなく、稼働している“製糖期”と工場を休める“休糖期”があり、 “休糖期”にはより大掛かりな機械の整備を行います。普段自分が担当していないエリアの機械を整備することもあり、その都度、勉強をし直して取り組みます。業務が増えていくのは大変ではありますが、新しい機械について学ぶのは面白く、業務として任せてもらえることも自信になります。ちなみに、製糖工場の技術職は奥が深く、10年目とはいえまだ半人前。一日も早く一人前になれるよう、より先輩社員の方々の技術を見習っていきたいです。



―これから入社してくる後輩に一言お願いします。

入社したばかりの時は、恥ずかしくてなかなか人に話しかけづらいし、一人で解決しようとしてしまいますよね。そこを、ぜひ周りの人と意見を交換して、自ら働く環境を良くする意識を持ってほしいと思います。より良くしようという心がけで、人間関係も良くなりますし、楽しく仕事ができると思います。それから、後輩の社員を教えるとき、私が意識しているのは、中途半端な作業はしないで、少しの部分でも「自分が、完璧にやりました」と胸を張って言える仕事をしてほしいということ。自分のやっていることに責任感を持つことを大切にしてほしいと思います。


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