「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2017.12.04

福西メリヤス株式会社

社長付 福西 慶之(けいし)様



認定企業の事業内容
―御社の事業内容についてご説明いただけますか。

当社は靴下の製造販売を行っています。靴下といいましても広義の意味での靴下です。靴下には種類がありまして、短い靴下、長いソックス、またはパンティストッキング、当社で作っているのは「長もの」と呼ばれる女性用のパンティストッキングになります。レギンスタイプ、ハイソックスタイプなどを中心に製造しています。


―自社で製造販売をされているのですか。

当社は昭和26(1951)年に創業いたしまして、以来65年ほど靴下を専門としております。基本的にはグンゼさん、セシールさんをはじめとした大手メーカーさんのOEM生産を中心に行っています。


―靴下を専門とされているのはどうしてですか。

実は、奈良県は靴下の産地で、全国の生産量ナンバー1を誇ります。ルーツは江戸時代の大和木綿まで遡りますが、この界隈、大和高田市と広陵町は靴下メーカーが集積しておりまして、当社はその一角ということになります。


―奈良県が靴下の産地とは知りませんでした。

この地域は中小零細企業が集まって、OEM生産を行っています。安い海外製品が市場を席巻し、苦しかった時期はありましたが、生産性の向上などの努力により、会社の体質を改善してまいりました。

ここ数年は、中国の人件費が高騰している兼ね合いで、生産の国内回帰現象が起きておりまして、生産量が戻ってきている状況です。

その中で、国内の靴下メーカーが淘汰されてきておりまして、特に長もの系のストッキングを作れる会社がかなり減りました。当社を含めて、全国に十数社くらいに減っています。


ユースエール認定の取得理由
―ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。

海外生産にシフトをしていた当時、業界全体が不景気な時期がありました。その頃は採用にも消極的でした。その結果、社員の高齢化が進んでおりまして、今の技術者に若い人がほとんどいない状況なんです。

製造業は、技術者の技術があってこそ成り立つものだと思います。この技術も、1年や2年で身につくものではありません。長い年月をかけて、育てていくものです。そういったことが、当社の課題の一つでもありました。

そういったことから「今年は何とか若い子を取るぞ!」という意気込みがありまして、かなり本腰を入れて取り組んでいたところ、ハローワークで「ユースエールというものがありますよ」と教えていただいて、幸いにも当社は勤務体系が元々整っておりました。残業時間が少ない、有給休暇が取りやすいなどの条件をクリアしておりましたので、これはある意味、当社のアピールポイントの一つではないだろうか、と思いまして、ユースエールの認定の申請をいたしました。


―若い人へのアピールが取得理由だったんですね。

当社は120名ほど従業員がいますが、うち100名、8割は女性です。パートタイマーや年金受給者など、高齢者が比較的多い世代構造になっています。社会的にも少子高齢化が進み、総人口が減ることが予測されていますが、やはり若い人がいないことはバランスが悪いです。今後はユースエールの認定を受けたことをきっかけに、どんどん若い人に入っていただいて、どの世代もまんべんなくいるような環境にしていきたいと考えています。




ユースエール認定取得の効果
―ユースエール認定取得による効果は何かありますか。

取得した際、奈良県では3番目、県内の製造業では初めての認定ということもありまして、いくつかマスコミに取り上げられました。今年の7月25日の奈良新聞では経済面のトップ、5段ぶち抜きで認定されたことが紹介されています。認定交付式で奈良労働局長から認定書を受け取る社長の写真も大きく掲載されていて、当社の認知度が上がったことでしょう。


―経済面のトップで5段ぶち抜きは、かなり大きな扱いですね。

予想以上に大きな扱いでしたね。製造業での第1号に加え、このあたりの中和地区でも第1号でしたので、かなり奈良県では珍しかったかもしれません。


―ほかに何か効果を感じられることはありましたか。

ほかには、労働局主催の合同企業説明会の案内など、これまで案内が来たこともなかったのですが、積極的にいただけるようになり、優先的に参加させていただけるようなメリットがありました。いくつもお声がかりいただいて「すばらしいですね」と褒めていただけたのはユースエール効果だと思っています。


―それは目に見える効果ですね。

実は、当社には女性が100名いて活躍していただいていますので、「えるぼし」の認定も申請しようと、社労士さんに相談しているところです。

こうした認定取得への取り組みに対しては、短期的なメリットを求めているわけではなく、企業ブランドの向上、そしてそれをアピールしていくといった長期的な効果を目的としています。

今後、ユースエールの知名度が上がり、初期に認定を受けた当社のブランド価値も高まることを期待しています。



雇用管理や人材育成
―雇用管理や人材育成についてはいかがですか。

雇用管理につきましては、一人ひとりに合わせた多様な働き方のシステムを取り入れております。当社はパートタイマーや、定年後の継続雇用、子育て中の方、それぞれ多くいます。例えばパートさんなら、働く時間を決めてもらって8時から30分刻みで自由に出勤時間、退社時間を選べるようにしています。その人のワークライフバランスに合わせた就業形態を採っております。

定年後の継続雇用では個別面談をして、例えば余暇を楽しみたい方は時短するなど、その人に合わせて柔軟に対応しています。


―有休休暇等についてはいかがですか。

製造業ではなかなか休みが取りづらいというところもありますが、当社は生産性を上げてカバーできる体制を整えています。

もちろん適材適所はありますが、マルチプレイヤーとしていろんな作業を一通りできるように、誰かが休んだときに代われるように、支え合いの精神で臨んでいます。


―人材育成についてはいかがですか。

外部の方を呼んで、生産性を上げるための研修を受けたり、ハローワークの方にお願いして講習を行ったりしています。外部環境が厳しいためやっていない時期もありましたが、最近は新卒の方も入りましたので、人材育成にきちんと取り組んでいく予定でいます。


―御社の雇用管理の基本はどこからきているのでしょうか。

先代社長の考え方ですね。「人は資本、従業員を大切に」とよく話されていました。社員は家族同然ですから。会社に勤めてもらうということは、その人の人生にとって大きな意味を持つことです。従業員を大切にすることが、また会社にとってもいいことをもたらしてくれるものと思います。


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