―ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。
創立者のロバート・ボッシュは当時のドイツでも珍しいほど先進的な人物で、1894年に9時間労働制、1906年に8時間労働制、1910年に土曜半日休暇、有給休暇制度を導入し、1953年にはボッシュ健康保険組合を設立しています。
―日本では考えられないほど先進的ですね。
ロバート・ボッシュGmbHの「GmbH」とは「有限会社」のことで、株式を公開していません。ボッシュ・グループでは、すべての利益を配当として持ち株会社が吸収し、その利益を元に社会貢献活動をしています。日本の法人は株式会社ですが100%子会社なので、私どもも利益を上げている限りこの社会貢献に寄与しているのです。
親会社のボッシュは、若手への教育や従業員の福利厚生をとても重視しています。私たちボッシュエンジニアリング株式会社としても、もともとのコンセプトに加え、さらに福利厚生や労働環境をよくすることで、親会社やグループに対してもアピールしていきたいと考えていました。
―そこでユースエールですか。
今回の認定は、取得のために努力したということではなく、以前から取り組みを続けていた結果を評価していただいたと考えています。
ボッシュ・グループの理念に基づいた私たちの考え方や取り組み方が、政府や厚生労働省様が考える方向性と合致しているのは大変光栄なことであり、その結果、ユースエールに認定していただけるということに対しても非常に嬉しく思っています。
―そもそもボッシュ氏はなぜそういう方針だったのですか。
会ったことがございませんので、正確にはわかりませんが、伝え聞いている話によりますと、「従業員が就労環境に満足している会社ほど生産性が高い」と考えていたようです。