「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 製造業
  • 2017.10.25

株式会社アバールデータ

総務部ゼネラルマネジャー 小木辰夫様



認定企業の事業内容
―御社の業務内容についてご説明いただけますか。

当社は、産業向けの電子機器を設計、開発、製造、販売するメーカーになります。銅の基板に様々な電子部品を取り付けまして、ある一つの機能を持たせる、というようなイメージです。ある用途に特化したもので、一つの部品と考えていただければけっこうで、それ自体で動くというものではありません。


―具体的にはどういった電子部品でしょうか。

わかりやすいのは、パソコンの中に入っております基板ですね。組み込み機器と呼ばれることもあります。高速に通信したり画像処理したりする機能を持つ部品です。工場の中の半導体の製造装置や検査装置、インフラ系の装置の中に当社のボード(基板)を納めています。産業向けの電子機器という総称で呼ばれています。


―例えば、身近なものではどういったものがありますか?

産業用ですから、身近なものに当社の製品はあまり使用されておらず、どちらかというと工場などにあることが多いですね。製品を生産する機械の中に入っています。その機械によって作られた製品は身近かもしれませんが、なかなか身近に当社の機器を見つけるのは難しいです。

強いて挙げるなら、医療機器の分野で、健康診断で使われている眼底検査のカメラに、当社の製品が組み込まれていると聞いています。




ユースエール認定の取得理由
―ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。

くるみんや、女性活躍推進法えるぼしなど、厚生労働省の認定制度がここ何年かでできていることは知っておりました。当社はユースエールができる以前から、そうした認定取得には積極的に取り組んでおりまして、くるみんの認定も取得しております。


―ユースエール認定のために会社として取り組みを行ったのでしょうか。

以前から、当社の行動規範に「職場の環境づくり」があります。また、「ワークライフバランスの推進」として「社員一人ひとりが、やりがいと充実感を感じながら働き、責任を果たすとともに、仕事、生活、地域活動および自己啓発等を、自らが希望するための制度の構築に努めます」という項目もあります。ですから、単にユースエール認定のためだけではなく、行動規範の実現のための取り組みでもあります。

ユースエール認定のための取り組みは、時間外労働の時間や有給休暇の日数や取得率等の数値目標があります。これが社員にとってわかりやすい目標になり、また行動規範の実現につながると考えています。そのため、基準をクリアするように、会社としての取り組みを行いました。


―具体的にはどういったことをされましたか。

総務から、積極的に社員に対しての告知に努め、また時間外労働の多い社員に対しては、注意喚起のメールを送っています。




ユースエール認定取得の効果
―ユースエール認定取得による効果は何かありますか。

一応、会社のホームページでユースエールの認定取得をアピールしていますが、社外に対しては、まだ目に見えるような効果は感じていません。もともとそんなに即効性のあるものとは思っていませんので、今後、長い目でユースエール認定取得の効果を期待しています。


―社内に対してはいかがですか。

こうした認定取得のため、また認定取得以外に当社の行動規範の実現のため、総務部を中心として残業時間削減へ、ワークライフバランスを充実させる取り組みを行いましたが、取り組みを行う以前に比べて、だいぶ効果があったように思います。


―具体的にはどんな効果が現れましたか。

取り組みを行う以前に比べて、社員の意識を含め、労働時間などは、かなり改善されました。総務から時間外労働に対して注意喚起のメールを送っていますが、メールを出す人数が半分以下に減っています。


―社員の方々は、こういった取り組みを行う会社をどう思っていますか。

社員にやさしい会社で、安心して働ける会社という声を聞きます。

お客様により良い製品やサービスを提供することと、働きやすい職場環境を推進することは、今後も努力が必要だと思いますが、入社していただいた社員には「入社してよかった」と思ってもらえる会社にしていきたいと思います。



雇用管理や人材育成
―社員の雇用管理で注力している点はありますか。

製品等の研究開発業務に携わる社員もおります。長時間労働は健康にも悪影響を与えることから、どうやって時間外労働を減らすか、非常に気を配りながら雇用管理をしております。また単に残業時間を減らすだけではなく、体調やメンタル面などのフォローにも注力しています。


―人材育成の面はいかがですか。

人材育成・社員教育には力を入れていると思いますし、職場内にもそのような雰囲気があると思います。働きやすい職場環境で、社員の能力を伸長させるため、また会社としてもそれによってより発展するため、社員にはプロとして働いてもらえるようなシステムを整えているつもりです。


―研修などはいかがですか。

教育研修は、能力の伸長、技術や知識の習得など、一通り行っています。自己啓発の分野としては、通信教育や英会話のほか、保険講座など、希望の社員にライフプランの知識もつけるなど、さまざまな研修を行っています。


―新人教育などはどんな風になさっていますか。

新入社員は、主に開発・設計職として採用しており、人材の育成には時間を要します。そこで、一人の新入社員に一人の先輩をつけることでしっかり教育しています。教育を受けた新人が先輩になって、今度は自分が教える側にまわりますので、いい流れができていると思います。

そのためか、若者の早期退職が問題になっている昨今、当社では3年目に限らず、マッチングがうまくいかずに退職する社員はいません。

そういう意味では、人材育成、若手の教育はうまく行っているように思います。若手に限らず社員の辞めない会社であると、誇りを持って言えます。


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