―雇用管理で注力していることはありますか。
有給休暇は、会社から働きかけをしなくても、もともと取得しやすいように融通しあっていました。育児休暇もみなさん取得していますし、小さなお子さんがいる母親の突発的な休みにも、まわりが協力して代替業務の対応をしています。働きやすい環境づくりの風土はできあがっていると思います。
―人材育成についてはいかがですか。
最初は普通自動車の教習指導員の資格を取得しますが、それはスタートラインです。すべての車種の資格を一つひとつ取らなければなりません。さらに卒業検定など、技能検定委員の資格は別にあります。それもまた一つずつ取得していくのです。受験資格として有資格者から何十時間という講義を受ける「事前教養」が必要です。どんなに優秀でも、必ず先輩から手ほどきを受けます。
ほかに協会主催の一週間の講習や、県外の中央研修所で行う研修を受けないと受験資格を得られないものもあります。
これらの費用は交通費・宿泊費を含め、かなりの金額です。そこで、いただいた助成金を活用して、人材育成への投資を図っているのです。
―御社の自動車学校としての基本理念等がございましたらお願いします。
当校の代表者は常々「今は若い人たちに“なりたい職業”としての憧れを持って教習指導員を選ぶ人がいない」と言っております。
運転される方はたいてい一定期間だけ自動車学校に通い、卒業後に振り返ることはほとんどないでしょう。私たちは、その短い期間に一生の安全運転に関わる「技術」と「心」をどれだけ伝えられるか、常に意識しながら臨んでおります。何かあった際、事故に至らなくてもヒヤリとしたとき、かつて当校で教わったことを思い出して、安全運転を心がけていただきたいと思います。
安全暗転に誇りを持ち、若い人たちに憧れの職業として選んでもらえるような自動車学校を目指して、日々取り組んでいます。