「ユースエール認定企業」インタビュー

  • 情報通信業
  • 2017.10.25

株式会社キャンドゥコンセプト

名誉会長 松田 研治様



認定企業の事業内容
―御社の事業内容についてご説明いただけますか。

一般的なITです。昔からあるソフトハウスの系列で、WEBによる新しいビジネスモデルのITではなく、企業で使われる様々な業務系のシステムを、お手伝いをして作っております。お客さまの社内で作業したり、受託してこちらに持ち帰って開発したりします。


―IT関連としては初期にできた会社なのですね。

そうですね。立ち上げて38年目になります。私が大学を出て上場しているソフトハウスに勤めていて、そこから独立して会社を興しました。創業当初は、テック(現・東芝テック)さまのレジスターのPOSシステムを作る仕事をいただいて、ほかにも日本航空さまの運行に関する様々なシステム、日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)さまの工場の生産管理システム等の仕事をずっとやっていました。


―現在の主要な取引先はどういったものになりますか。

今は、エンジニアの数でいくと、金融系、銀行の仕事が多くなっています。三菱東京UFJ銀行さま、三井住友銀行さまなど。金融系の仕事は、あいだに一社入っていますが、JTBさま、日本航空さま、日本郵船さま等は直接の取引先です。


―社名の由来をお聞かせください。

創業時はCPSという社名でしたが、アルファベット3文字の社名って多いんです。創立10周年のときに、全社員で公募して、結局私の出したものが選ばれました。「IF WE CAN DREAM,WE CAN DO IT.夢を見ることができれば、実現できる」という意味です。


その絵にも意味があるんですか。

この絵は友人に作ってもらったんですが「いろんな色の人が集まっているけれど、混ざるのではなく各自の個性を生かして進んでいく」という意味を表しています。


ユースエール認定の取得理由
―ユースエール認定の取得理由をお聞かせください。

実は、ハローワークに毎年、新卒採用の求人を出していまして、そこに当社の情報を記載しています。昔から、社員の平均年齢、平均残業時間、有給休暇の取得率といったものを公開しております。ハローワークの方も記載内容のチェックをされていたようで、去年の夏、ハローワークの方が「おたくのホームページを見ましたが、ユースエール認定の条件をすべてクリアしているので、申請しませんか」と言われました。


―なるほど。そういうこともあるんですね。

ええ、実はそれまでユースエールというものを存じ上げなかったものですから、話を聞きまして、それなら、ということで申請しました。


―取得に際して、難しいことはありましたか。

特別、認定取得のために、というわけではありませんが、この業界は忙しい会社が多いんです。先方で仕事をしていますと、一緒に働いている方々が忙しい状況で、当社の社員だけが早く帰りにくい、ということがあります。


―そんなときはどうされるのですか。

私は「気にせず帰りなさい」と言っています。業界としても、もっとワークライフバランスを重視する環境になってほしいんですよね。エンジニアは頭脳労働者ですので、長時間集中して仕事をするのは難しいですから、正直1日8時間でも長いと思っています。そういう意味でも、ユースエールのような取り組みがもっと世間に浸透してほしいですね。




ユースエール認定取得の効果
―御社は毎年新卒採用を続けているそうですが、主にどういった採用活動をされていますか。

当社は新卒採用の際に、あまり媒体を使わないんですよ。私が全国の大学を直接訪問して、キャリアセンターの方から学生さんに「こういう会社の代表です」と紹介してもらったり、また合同説明会に参加して直接学生さんと話して興味を持ってもらい、会社にきていただいて初めて会社説明を行います。採用活動は昔からやっていまして、私は東京都情報産業協会(東京都の情報サービス系法人180社ほどが参加する業界団体)で、採用関係の理事も務めております。


―会長自らが訪問される際、認定取得による効果は何かありますか。

今年の年初にユースエール認定を取得して、今年もいろいろな大学をまわりました。認定制度に興味のある大学の就職担当者は、ユースエールやくるみん、えるぼしなどの知識もお持ちです。

知識のあまりない大学の就職担当の方も「中小企業向けで、厳しい条件のこういう認定制度があって、当社はそれを取得しています。雇用条件も満足してもらっています」と話しますと、「そうなんですね」と理解していただいています。


―大学の就職担当の方へのアピール材料になっているんですね。

そうですね。労働環境の整っている会社として、大学や専門学校の就職担当の方、紹介していただく学生さんたちに、安心してもらえるお墨付きになっていると思います。



雇用管理や人材育成
―毎年、新卒の採用を行っているんですか。

創業2~3年は中途採用もしましたが、3年目からは新卒一本で行こうと決めまして、以来35年新卒の採用を行っています。


―新卒の方にシステム開発は難しいですよね。

まったくダメですよね。ですからここ数年は、外部で技術教育と社会人教育の研修を行っています。それ以前は、私や上位の技術者が、毎年3~5カ月かけて教育していました。その期間はOff-JTで、教育が終わるとOJTになります。


―会長自らが教育しているんですね。

創業時は、私のほかはまったくの未経験者5名でしたので、私が稼ぎながら教育していました。以降、ずっと教育を続けていますが、人に教えることができる資質があったのだと思っています。今も、外部に教育をお願いしていますが、戻ってきてから1~3カ月は社内で教育しています。大学の情報工学科を出た人間でも、教育なしには使い物になりませんので。


―それだけ教育に注力されている理由をお聞かせください。

元々、私がこの会社を作った動機は「教育をしっかり行う会社」でした。最初の会社を辞めて、いろいろな会社を探しましたが、なかったんです。唯一、教育をしっかり行っていたのがコンピュータメーカーでした。ただ、残業100時間以上がザラで、ものすごく忙しいです。ないなら作ってしまえと、会社を興しました。ですから、会社の方針として「教育をしっかり行う会社」「労働環境の良い会社」を掲げています。目標は時間外労働ゼロ、有給休暇100%消化ですが、なかなかそこまではいっていません。

ですが、「定年まで安心して働ける」を目標に会社を作りましたので、人材を大切にしています。


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